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初動対応マニュアルの作成 第5話「緊急対応ー緊急搬送」

[fa icon="calendar"] 2018/11/19 12:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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 シリーズ「初動対応マニュアル」5回目となる今回は、就業時間中の災害で負傷者が発生した際、応急手当だけでは対応が難しい状況において、医療機関へ搬送をするための準備について解説します

 

 災害時においても基本は「119」番通報が原則ですし、救急車が来られるのであればこれに委ねるのが最良です。しかし、大地震などの広域災害が発生した場合、道路の物理的な破壊、停電や避難者による大渋滞、また負傷者が同時多発で発生することによる、医療機関キャパシティオーバーなどを原因に、救急車がくるのに時間がかかったり、あるいは来られなかったりする可能性があります。

 そのため、応急手当の準備をする一方、社内で発生した負傷者、あるいはお客さまを、医療機関まで自力で搬送するための準備が必要になります。病院の場所の把握、移動ルートの確認、担架の準備などを行い、マニュアルにまとめることが必要です。

 

「緊急搬送」が必要になる状況と、マニュアルの目的

 緊急搬送が必要になる状況は、就業時間中に発生した大地震などの影響で、社内に重症者が発生し、119番につながらない、あるいはすぐに救急車が来ることが見込めない場合です。また打撲、骨折、火傷など、負傷者に意識があり自力で歩行できる場合であっても、非常時には普段どおりの移動手段が使えませんので、緊急搬送で準備した情報や道具を用いて、医療機関まで連れていく必要があります。

 重症者をみだりに移動させることは、本来は避けるべきです。そのため、素人による緊急搬送の準備は行わない、と判断することもあるかもしれません。しかし大規模災害により救急搬送が望めず、放置することで状況の回復が望めない場合は、何かしらの手段を講じて負傷者を移動させなければならず、どうせ搬送をしなければならないのであれば、最低限の準備を行っておくべきでしょう


緊急搬送の手順解説

 1)まずは「119」へ通報

  ★災害時であっても救急車が呼べるのであれば利用して構いません。
  ★現実的には難しい可能性が高いため、以下の手順へ進む

 2)救急車が呼べない場合は、最寄りの病院へ搬送 

  ★ここで治療が受けられれば委ねて問題ありません。
  ★対応不可の場合は搬送すべき先などが指示されます。

 3)最寄りの病院で診療が受けられない場合

  ★「災害拠点病院」「災害拠点連係病院」などへ搬送する。
  ★「トリアージ」により軽傷者の治療は後回しになる場合があるため、
    社内の応急手当で様子見ができる場合は、無理に移動させない方がよいです。



最寄りの医療機関の場所・地図を記載

 まずマニュアルに記載をするのは、最寄りの医療機関の場所に関する情報です。平時であれば、パソコンやスマートフォンのWebブラウザや地図アプリを使って病院を探すこともできますが、非常時にこれらの機器が使えるとは限りません。また基本的に一刻を争う状況であることが考えられますので、事前に調べておける情報はあらかじめまとめておくことが望ましいと言えます

●病院の住所(紙の地図などで場所を調べる場合)
●病院の電話番号(非常時でもつながるのであれば有効)
●病院の地図(担架を使って移動できるルートをあわせて記載しておく)

災害拠点病院の場所・地図の記載

 大規模災害時には、医療機関自身も被災しており、一方負傷者が大量に発生するため、医療機関がパンク状態に陥る状況が想定されます。こうした状況に備え、都道府県や市区町村は、災害時医療の方針として受付をする医療機関を集約する計画を策定しています。この場合、会社の最寄りにある病院に負傷者を連れていても、診療を受けられないことが考えられます。

 最悪の場合は、非常時にも稼働する計画になっている医療機関である「災害拠点病院」へ、自力で負傷者を連れて行かなくてはなりません。そのため、前述の作業と同じく、会社の最寄りにある災害拠点病院の住所・電話番号・地図などをマニュアルへ記載しておく必要があります。立地によってはかなり距離がある場合もあるため、どのようなルートで移動をするか、事前に確認をしておくとよいでしょう。

担架・搬送用具の準備、保管内容を記載

 負傷者を自力で搬送する場合、担架などの搬送器具が必要になります。担架が必要な状況においては、エレベーターが使用できない可能性があるため、フロアが建物の上階にある場合は、必ず階段を降ろすことができるかどうか、確認をしておく必要があります。階段を通過させることができない場合、専用の手動昇降器具を準備したり、おんぶ型の搬送具を用意することも検討します。マニュアルに記載する情報は以下の通りです。

  ●担架の仕様、外観写真
  ●保管場所(分かりづらい場合はフロア図を添える)
  ●使い方、担架のマニュアルの抜粋など

 

 

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Topics: BCP情報

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