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新型コロナウイルス感染症について(情報収集編)

[fa icon="calendar"] 2020/02/20 13:31:12 / by 高荷 智也

高荷 智也


コロナ_情報収集編 

 連日「新型コロナウイルス感染症」について報道されています。国内でも感染者が増え、企業でも様々な対策がたてられているようです。今回は、「新型コロナウイルス感染症」について取り上げます。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」、国内初の発症者が発表された116日からまもなく1ヶ月が経ちますが、未だテレビやインターネットのニュースを賑わしています。スーパーやドラッグストアなどから消えたマスクや消毒用エタノールも、いぜんとして補充される気配がありません。

さて、今回の新型コロナウイルスの登場は想定外ではなく、近年でも度々発生している新感染症のひとつと言えます。2016年のジカ熱、2014年のエボラ出血熱、2012年のMERS(マーズ)、2002年のSARS(サーズ)などは、まだ記憶に新しい所です。また「パンデミック(全世界的な大流行)」を引き起こした感染症も、2009年の新型インフルエンザ、1968年の香港かぜ、1957年のアジアかぜ、1918年のスペインかぜと多数存在します。

新感染症の突発的な発生と流行は、私たちの身近で今後も繰り返し生じる可能性があります。今回の新型コロナウイルスに限らず、家庭や会社で流行の推移を見守る際には、「感染力(感染者数)」と「致死率(死亡者数)」をチェックしてください。

 

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 この図は、縦軸に「致死率・影響度」の高低を、横軸に「世界レベルでの流行度合い」の高低を表して、様々なウイルスがどのような特性を持っているかを表したものです。厳密な数値を表してはいませんので、イメージ図になります。

 最悪なのは右上の「A」ゾーン、一説には人類の25%を死亡させたという最悪の感染症「ペスト(通称黒死病)」や、近代最悪のパンデミックとなった1918年の新型インフルエンザ(通称スペインかぜ)」が当てはまります。流行中の感染症がこのゾーンに入る場合は人類の危機です、最大限の感染防止対策を地球規模で実施しなければなりません。

右下の「B」ゾーンは、20世紀に発生した「パンデミックとなったが死者はそれほど(といっても数十万~数百万人単位では生じていますが)発生しなかった新型インフルエンザ」が配置されます。感染者数が数千万~数億という単位で発生するため、一時的なパニック状態を引き起こしますが、「感染しても命を落とす可能性は低い」ことが分かると、一気に沈静化します。2009年の新型インフルエンザも一時的に店頭からマスクがなくなりましたが、致死率が低かったため落ち着きました。

左上の「C」ゾーンは、近年の新感染症が当てはまります。致死率が高いため感染国では大変な状態となりますが、流行が広まらない国においては冷静な対応で問題なしという状況になります。今回の新型コロナウイルスは現在このゾーンです。記事執筆時点(2/10)で発表されている感染者は世界で40,548名、死亡者は910名、致死率は「死亡者÷感染者」で表しますので、致死率は2.2%となります。SARS9.6%、MERS35%などと比較すれば低い値ですが、「A」ゾーンのスペイン風邪の致死率は2.5%前後ですので、低い値とは言えません。

新型コロナウイルスには、インフルエンザのような「簡易検査キット」がないため、感染の判定をするのに手間と時間がかかります。そのため、軽症者の判定はどうしても後回しとなるため、致死率は比較的高めになります。今後検査が容易になれば軽症者が増加するため、通常は致死率も低下していきます。今後感染者が増加してパンデミック状態となった場合も、致死率が低下して「B」ゾーンへ移行するのであれば、大騒ぎをすることはないということになります。

 

感染者数や死亡者数の最新数字を求めたい場合は、

日本経済新聞のコロナウイルス感染マップや、
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/

米国ジョンズ・ホプキンス大学のダッシュボードが参考になります。
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

日々の情報収集において、この「致死率」がどうなるかをチェック、下がるようであれば季節性のインフルエンザと同じ対応が取れるようになります。また致死率が下がらなくても、日本国内での感染者数が増加しなければ、冷静な対応で大丈夫です。感染者数がきちんと発表されている間は、まだ感染増加がコントロールされている状況となりますので、大きな心配はいりません。

一方、致死率が現状の数%を保ったまま、国内感染者数が爆発的に増加をしていく場合は、発生が恐れられている「新型インフルエンザパンデミック」と同じ状態になる可能性もあります。この場合は社内の感染対策の徹底、会議や出張の抑制、在宅ワークや非対面営業の実施などが必要になっていきます。

 次回は、これら、具体的な対策について解説をします。
 「新型コロナウィルス感染症について(感染防止対策編)」をご覧ください。

 

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