前回の「新型コロナウィルス感染症について(情報収集編)」に引き続き今回は、感染防止対策編です。
各自ができることから対策をとっていきたいものです。
前回は、新型コロナウイルスを含む新感染症、あるいは新型インフルエンザなどによるパンデミックの情報収集ポイントとして、「致死率(死亡者数)」と「感染力(感染者数)」の2点を紹介しました。後編では、これらの感染症に対する社内の感染防止対策について触れたいと思います。
さて、流行中の新型コロナウイルス感染症を含め、登場したばかりの新型ウイルスに対して有効なワクチンや特効薬のようなものは存在せず、作成するにも時間がかかります。そのため、ウイルスによる感染症を防止するためには、そもそもウイルスに感染しないことが重要になります。今回のコロナウイルスの感染ルートは「接触感染」と「飛沫感染」の2つで、これは「季節性インフルエンザ」と同じ対策になります。
「接触感染」は、感染者が自分のせきやくしゃみを手で押さえ、その手で周囲にモノに触れてウイルスが付着。別の人がそのモノに触れ、その手で自分の目や鼻や口などの粘膜を触ることで感染するルートです。また「飛沫感染」は、感染者のせきやくしゃみでまき散らされた「飛沫」を、別の人が直接吸い込むことで生じます。
つまり、「①感染者がウイルスをまき散らさない」「②まき散らされたウイルスを消毒する」「③手指を消毒し、不用意に自分の目や鼻や口を触らない」という対策を講じれば、感染リスクを低下させることができます。いわゆる「セキエチケット」や「手洗いの徹底」は、これらに有効であるため推奨されることになります。
ドラッグストアなどで手に入る「普通の高機能マスク(サージカルマスク)」は、正面のせきやくしゃみをある程度ブロックすることができます。しかし上下左右に隙間が空いていますので、マスクだけで飛沫を完全に防御することはできません。逆に、感染者がマスクを着用すると、せきやくしゃみの拡散防止に効果がありますので、「社内全員」がマスクを着用すれば、新型コロナウイルスだけでなく、季節性インフルエンザの感染リスクも低下させることができます。
なお、マスク不足が引き続き生じていますが、感染者がセキエチケットの一環として着用する場合については、紙や布による手作り品での代用も可能です。実用品と言うよりは社内啓蒙活動の一環としての利用に近いですが、以下の様な手順でマスクを作ることができます。
1)キッチンペーパーのようなやわらかい紙をギザギザにおりまして
2)両端にホチキスなどを使って輪ゴムやヘアゴムをつけまして、
3)通常のマスク同様、ゆっくり開いていけば、簡易マスクの完成です
4)飛沫を「防ぐ」効果は限定的ですが、飛沫を「飛び散らさない」効果は多少あります
「まめな手洗い」や「アルコール消毒」はどうでしょうか。休憩や食事のたびに、石けんや消毒用エタノールなどを用いて手指を綺麗にすることは有効です。ただし、手指の消毒をした直後に、例えばトイレの蛇口やドアに触れてしまうと、その時点で手にウイルスが付着する恐れがあります。この状態で自分の目や口などに触れると感染する可能性があるため、手洗いは必ず「不用意に目や口に触れない」という啓蒙とセットで行わなければ意味がありません。
またドアノブ・スイッチ・手すり・事務機器・トイレ周りなどの消毒については、消毒しても新たなウイルスが付着するのでは意味がありませんから、マスク着用や、くしゃみを手で受けないなどの対応とセットで行うことが重要です。モノに対する消毒は、消毒用エタノールの他、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)も有効です。
感染防止対策は単体での効果が薄いため、ばらまかないための「セキエチケット」や「マスク着用」、感染を防ぐための「手洗い」や「手で目・鼻・口を触らない」対策の全てを行うことが重要です。新型コロナウイルス感染症に対しても有効ですが、これらをきちんと実施できると、社内の「普通のインフルエンザ」対策にも高い効果が得られるため、無駄にはなりません。
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