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COVID-19を振り返る~国内感染開始から緊急事態宣言解除まで〜

[fa icon="calendar"] 2020/06/09 13:21:09 / by 高荷 智也

高荷 智也


新型コロナウィルス感染者数 

 202047日に一部の都府県へ、416日に全国に対して行われた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の緊急事態宣言は、514日に39県で、525日には全ての都道府県で解除されました。

 しかし、これはCOVID-19の終息を示すものではありません。世界各国では引き続き感染者・死亡者が増加をし続けており、記事執筆時点(2020/06/06)では、感染者が670万人・死亡者が40万人(※1)に達しています。とりわけ感染者数の上位3国、米国・ブラジル・ロシアをはじめ、インドや南米各国では急激に感染者の増加が続いており、予断を許しません。

 日本では感染者の急激な増加こそ抑えられていますが、緊急事態宣言解除後は「新しい生活様式」の定着を前提とすることで、今後の感染拡大を予防するといった方針が政府より示されており、今後の企業活動などに影響を与えることは必至です。今回のコラムでは、COVID-19に関するこれまでの振り返りを行って参ります。

 

   ■20201月末~2月中旬

新型コロナウィルス感染者数

        図:米国JHUCOVID-19 Dashboard131日の画像)


 COVID-19
の国内初検出は116日で、これは中国武漢市からの帰国者によるものでした。129日には国内初の人・人感染が確認され、これ以降二次感染・三次感染者が増加していきました。

 クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号が日本に入港し検疫を始めたのが23日、国内で初めての死者が生じたのが213日のことです。イタリアや韓国などで感染者が増加していった時期もこの頃ですが、国内の様子はまだ落ち着いており、各種の興行やイベントもマスク着用を呼びかけながら通常通り行われておりました。

 パンデミックBCPなどを策定していた企業がテレワークの導入、会議・出張の抑制、マスクの着用などを開始し始めたのもこの時期になります。2月の上旬には店頭からマスクや消毒薬がなくなり、早めに確保をしなかった企業については、感染防止対策の資機材を調達することに苦労をされたことでしょう。

 

 ■2020年2月末~3月上旬

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図:米国JHUCOVID-19 Dashboard32日の画像)

 
 その後わずか一ヶ月で状況は一変、全世界にCOVID-19の感染が拡大しました。特に感染者・死亡者が急激に増加をしていたイタリアでは、38日から全土でロックダウンが実施され、ほとんどの経済活動が停止するなど、早々に厳戒態勢へ移行しました。

 日本では、2月末頃から「この2週間が感染拡大防止の瀬戸際」という報道が繰り返されるようになりました。デマの影響で店頭からトイレットペーパーが無くなったのが2月の末頃です。また東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンが休園をはじめたのが229日、31日の東京マラソンは一般参加を中止して開催、また32日から全国の学校に休校の要請が出され、その後は各種のイベントの中止や施設の閉鎖が相次ぎました。

 

■2020年3月末~4月上旬

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図:米国JHUCOVID-19 Dashboard41日の画像)

  
 3月末になると、欧米ではロックダウンの実施や外出自粛要請を行う国が急激に増加しました。スペインでは314日から、フランスでは317日から、米国カリフォルニア州では319日から、イギリスでは323日から規制が開始されました。この流れに呼応して、日経平均の直近最安値が316日に、NYダウのそれが323日記録されました。

  日本では、228日に北海道が独自に緊急事態宣言を発表しておりましたが、全国的な動きにつながるのは3月末になってからでした。まず大阪・兵庫間の往来自粛が、320からの三連休に対して呼びかけられ、324日に東京オリンピックの延期が発表されると、その翌日325日に、ようやく東京都から週末の外出自粛およびその後の在宅勤務推奨が発表されました。

 3月26日には政府対策本部が設置され、いわゆる「三つの密」を避ける呼びかけが強くおこなわれました。その後も感染経路不明の人・人感染が国内で続き、新年度を迎えても学校の再開は行われませんでした。そして47日には埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪・兵庫・福岡に対して、416日にはその他全国について、緊急事態宣言が発表され、これに伴い各都道府県から店舗営業の自粛要請などが出されました。

  パンデミックBCPを準備していた企業についても、ここまで大規模な経済活動の停止を織り込めていた企業は多くなかったのではないかと思われます。

 ■20204月末~5

新型コロナウィルス感染者数

図:米国JHUCOVID-19 Dashboard51日の画像)

 
 そのままの状態で日本はGWを迎えましたが、あらゆるイベントが中止され、観光スポットも閉鎖された状況となり、高速道路の渋滞ゼロ、新幹線・航空機の減便が行われるなどの事態に到りました。企業のコロナ関連倒産や、各種助成金配付に関する報道が増加していたのもこの時期です。

 54日には緊急事態宣言の延長が発表されましたが、一方で新規感染者数は410日以降減少を続けており、海外の経済活動も徐々に再開をする報道などが入ってくるようになりました。そして514日には、北海道・埼玉・千葉・東京・神奈川・京都・大阪・兵庫を除き緊急事態宣言が解除、525日にはこれらの地域でも解除となりました。

 むろん、都道府県からの休業要請が継続していたり、大企業を中心に在宅勤務などが引き続き行われていたりするため、すぐにこれまで通りの生活に戻るということはありませんでした。しかし、感染者の少なかった地域では各種の店舗が営業を再開し、また公共施設の一部再開などが徐々に行われるなど、日常生活も次第に戻って参りました。

■2020年6月〜

新型コロナウィルス感染者数  図:米国JHUCOVID-19 Dashboard61日の画像)

  
 記事執筆時(2020/06/06)現在、国内のCOVID-19感染者は16,850名、死亡者は907名、致死率は5.4%になります。「次の感染症パンデミック」の本命のひとつと見られていた新型インフルエンザウイルスによる最悪の致死率が2%程度と想定されていたため、これに比較すると今回の新型コロナウイルスは警戒が必要な対象であることが分かります。

  一方、国内および米国で実施された抗体検査などの結果から、多くの「隠れ感染者」がいることも徐々に明らかとなっています。この詳細は今後の調査を待つ必要がありますが、「致死率」が一桁以上小さなものであった可能性もあり、この場合は「感染しても問題無い」ウイルスとしての扱いができるため、今後の活動制限などが不要になるということになります。

  しかし、これらの実態が明らかになるまでにはまだ時間がかかりますし、詳細な調査の結果致死率がそれほど下がらなかった場合は、ワクチンの開発や治療法が確立するまで、新型コロナウイルスとの共存が必要になります。海外での感染者増加も続いており、COVID-19の終息にはまだまだ時間がかかりそうです。

  次回のコラムでは、しばらくの期間続くであろう「withコロナ」に向けた企業の対応、「新しい生活様式」をふまえた事業再開・BCPの見直しなどを考えて参ります。
後編:「withコロナ時代の「新しい生活様式」に対する企業の対応」

 
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Topics: BCP情報

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