前回のブログでは地震大国日本における大地震発生の実情や地震用語についてのお話をいたしました。今回は「地震予知」を取り巻くお話をいたします。
さて、平均すると月に1.2回のペースでマグニチュード6以上の「大地震」が発生し続けている日本、これほど地震が多い国であれば「地震予知」ができないものかと、考えたくなりますね。気象庁などでは、地震の前兆現象を捉えるための観測を長年行っていますが、現在の所は正確な地震予知につながっていないのが現状なのです。
■大地震の「前震」は捉えられないのか?
さて、大地震の後に見かける言葉として「前震」や「本震」というものがあります。これらは全て「後付け」されている言葉で、大地震の活動が終息した後に、「今思えばあれが前震だった、そしてこれが本震だろう」と、人間が定めたものになります。そのため、大地震の前に「前震」を捉えることはできませんし、また「本震」だと思った大地震の後に、さらに大きな揺れが生じるということもあり得るのです。
しかし地震が多い日本、注意深く地震活動を観測していれば、「前震」に該当する地震を見分けられるのではないか…と考えたくもなります。そこで、前震を捉えることが難しいということを、クイズ形式で見ていただこうと思います。題して「クイズ・1分後に大地震!」
■クイズ「1分後に大地震!」…Q1
この地図は、過去に生じた「とある大地震」が発生する、1分前から1週間前までの、国内で生じた地震の震源地を表したものです。この地図状態の1分後に、どこかで大地震が発生するのですが、直前1週間の状況から推測することができるでしょうか?
大地震の「前震」を捉えることができるのであれば、この直後にどこで大地震が発生するか…が分かるということになりますが、いかがでしょうか。この地図はどの地震の直前の物なのか、お考えください。正解はスクロールした先をご覧ください!
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正解は、1923年に発生した「関東大震災」の直前1週間の地図でした。大地震の直前ですが活発な地震活動は見られず、前震に該当するような地震活動がないことが分かります。それでは、別の地震についてもみてみましょう。
■クイズ「1分後に大地震!」…Q2
こちらも、ある大地震直前の1週間の地震活動を表示させたものです。先ほどの地図よりも活発な状況、各地で小規模な地震が生じていますが、さて、この直後にどこで大地震が発生したか分かるでしょうか?正解はスクロールした先をご覧ください!
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正解は、2016年に発生した「熊本地震」の直前1週間の地図でした。熊本地震は4月14日に1回目の「本震」が生じ、2日後の4月16日に2回目の「本震」が発生した、いわゆる想定外の大地震でした。この地図を見る限り、1回目の本震の「前震」が不明であるばかりか、この1回目の本震が2回目の本震の「前震」にもなっていた、ということは分からなかったのです。
ちなみに、この熊本地震の影響で、気象庁はその後の地震報道において「余震」という言葉を使わなくなりました。以前は「しばらくは余震に警戒しましょう」という表現が使われていましたが、本震と思われる地震の後に、さらに大きな地震が発生することもあるのだ、ということが分かったためです。そのため現在は、「しばらくはさらに規模の大きな地震にも警戒を」などの表現に改められています。
■クイズ「1分後に大地震!」…Q3
それでは最後のクイズです。こちらも、ある大地震直前の1週間の地震活動を表示させたものです。太平洋沿岸でやや活発な地震活動が見られますが、この直後にどこで大地震が発生したか分かるでしょうか?正解はスクロールした先をご覧ください!
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正解は、1995年に発生した「阪神・淡路大震災」の直前1週間の地図でした。じつはこの地震、前日の夕方に大阪湾でM3.7の地震が発生しており、後になって思えばこれが前震だったということが分かります。ただ、あくまでも「後になって思えば」という結果論であり、まさかこの小さな地震の翌日、大地震が神戸を壊滅させることになるとは、誰も思っていなかった訳です。
ということで、今回はクイズ形式で「大地震の前震」を探ることはできない、という現状を知っていただきました。大地震の前震が「前震」と判明するのは、一連の活動が全て終息した後になります。
ゴシップニュースやSNSなどで、「この地震は大地震の前触れに違いない!」などの情報を見ると不安になりますが、これらは全てデマ情報だということになりますので、いちいち気に留めることなく、常に地震対策を怠らないようにしましょう。
後編のコラムでは、地震予知に関するお話を深掘りして参ります、お楽しみに!
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