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水害に備える!新しくなった避難情報活用のポイント(後編)

[fa icon="calendar"] 2021/06/22 10:30:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


水害対策  

 前回のコラムでは2021年5月20日に改正された、各種避難情報の改正と活用のポイントについて解説をいたしました。今回は、水害に関する情報収集に使える、気象庁のWebサービスを紹介します。

■危険度分布「キキクル」について

 前回ご紹介した「緊急安全確保」「避難指示」「高齢者等避難」は、避難の目安として活用する情報になりますが、現実的には「避難指示」などが発表されても、「本当に逃げた方がいいのかな…」「たぶんだけどうちは大丈夫じゃないかな…」などと考え、重い腰が上がらないという方も多いのではないでしょうか。
 また事実、同じ「避難指示」が発表されたエリアの中でも、本当に危険が迫っている場所と、安全な場所というのは入り交じりますので、こうした気持ちになってしまうのは当然とも言えます。このような場合でぜひ活用をしていただきたい情報が「危険度分布・キキクル」です。

気象庁:危険度分布(愛称・キキクル)
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/

 キキクルとは、雨による災害の危険度を、地図上にリアルタイム表示してくれる、パソコン・スマートフォン向けのサービスです。しかも、誰でも無料で閲覧することが可能です。具体的には、日本中好きな場所の地図を表示させ、「土砂災害」「浸水害」「河川の洪水」の3つの危険度を、10分毎のリアルタイム情報として重ねて表示させることができます。
避難指示などの範囲よりも、狭い範囲についての危険度をチェックすることができますので、「自宅」「事業所」の状況をより正確に把握することができます。


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 例えばこの画像は、「避難勧告」廃止の翌日、2021年5月21日の大雨(静岡県)時に見た、「土砂災害」の危険度分布です。リアルタイムで現在地の水害リスクをチェックすることができますので、避難開始のきっかけのひとつとして活用することができます。もちろん、原則としては、沈んだり崩れたりする場所に住んでいる場合は、「避難指示」で全員避難です!


■早期注意情報

キキクルはリアルタイムの危険度を教えてくれるサービスでしたが、台風や大雨が「週明けの月曜日」などに直撃する予報の場合は、次の営業日の出社判断に悩むことがあるかもしれません。数日先の水害リスクについては、キキクルと同じ気象庁の「早期注意情報」である程度把握することができます。

気象庁:警報・注意報
https://www.jma.go.jp/bosai/warning/


  早期注意情報は、最大5日先までに「警報」級の現象が予想されている場合に、「いつ頃」に、「どのような(大雨・大雪・暴風・波浪)」現象が生じる恐れがあるのか、気象庁から発表される情報です。
 上記のURLにアクセスすると、全国の「警報・注意報」一覧ページが開かれますので、具体的な情報を見たい地域を選んで選択し、詳細ページを開くと「早期注意情報」がページ中程に表示されています。

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 例えばこちらは、災害対策基本法が改正された2021年5月20日に、初めてあたらしい「避難指示」が発表された、熊本県の「早期注意情報」です。この時は、翌日の深夜までの期間に、大雨警報が発表される可能性が高いということが示されています。
 この情報で数日先の具体的な危険度を把握し、自分自身の行動を決める際の判断材料としたり、従業員に指示を出す際の根拠資料として活用することができます。


■鉄道会社などの情報も参考に

 台風接近時には、事前の警戒がニュース報道などを通じて呼びかけられます。企業としても、従業員を休ませたり、あるいは早退させたりという判断が必要になることがありますが、この場合には前述の「早期注意情報」などを根拠にすることが考えられます。
ところが、「警報」の出る可能性が高いといっても、被害につながるかどうかには差があり、また広い範囲からの通勤者がいる場合には、どこまでのエリアを対象にすべきかなど、悩ましい状況になることがあります。このような場合の出社・早退判断には、「鉄道の計画運休」を使うこともおすすめの方法です。

 近年、強い台風や大雨が想定される場合は、都市部の鉄道が比較的早い段階で計画運休の決定を下すようになりました。鉄道による通勤者の割合が多い会社は、警報の状況がどうであれ、鉄道が止まってしまえば通勤は困難となります。会社の規則として、「最寄り駅に属する鉄道の運休が発表された場合は、休み・時差出勤・早退とする」などを定めておくことも、事前対策としては有効です。

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Topics: BCP情報

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