Bitis ブログ

水害ハザードマップで自宅・職場周辺の危険を把握・2021(基本編)

[fa icon="calendar"] 2021/07/09 10:30:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


shutterstock_1892648584  

 7月に入り梅雨も終盤に向かう中、全国で大雨が相次いでいます。特に2021年7月3日に、静岡県熱海市で発生した大規模な土石流では、多くの建物が大破し、死亡者も発生するなど大きな被害を生じさせています。

 一方、この土石流被害や、近年各地で生じている水害被害の多くは、「想定外」ではなく「想定内」の災害となっています。つまり、ハザードマップにより浸水想定区域や、土砂災害警戒区域に指定されているエリアで、想定通りの被害が生じているということなのです。

 今回のコラムでは、こうした「想定外」をなくするために不可欠なハザードマップの確認について、2021年最新のチェックポイントをふまえた閲覧方法を解説します。


■水害ハザードマップの種類と入手方法

 水害ハザードマップの種類は、大きく分けると3種類あります。それぞれ影響範囲や避難場所などが異なりますので、いずれかではなく「全ての」地図を確認することが重要です。

・津波ハザードマップ
・浸水ハザードマップ(洪水・内水氾濫・高潮)
・土砂災害ハザードマップ(崖崩れ・土石流・地すべり)

 これらハザードマップの閲覧方法は、大きく分けると2つあります。

・自治体(市町村)が作成したハザードマップ。役場の窓口で紙の地図を入手するか、自治体のHPから画像やPDF版のハザードマップを入手する。

・ 国土交通省のWEBサービス「重ねるハザードマップ」をスマートフォンまたはパソコンから閲覧する。または各種防災アプリを使って、同じ地図情報を閲覧する。

 なお、ハザードマップの種類と入手方法の詳細は、過去コラム『防災のキホンvol.1 :水害ハザードマップを見る(実践編)』 こちらもあわせてご覧ください。


■重ねるハザードマップを使う

 今回は、国土交通省の「重ねるハザードマップ」を使って、確認ポイントを説明します。重ねるハザードマップも日々機能が進化しておりまして、ここ1年でも新しい機能が追加されています。
 

75_01

 この画像はスマートフォンでアクセスをした場合の画面です。パソコンでアクセスしても同じような画面が表示されます。

 まずは基本機能2つです。

・調べたい場所の住所や施設名を入れると、候補が表示されるので、そのなかか該当するポイントを選択すると、地図を移動させることができます。

・災害種類のボタンが表示されますので、地図に重ねたいハザード情報「洪水・土砂災害・高潮・津波」を選択して表示させます。

・「道路防災情報」を押せば、冠水している場所や、通行止めの箇所を表示させることができます。

・「地形分類」を押すと地形の成り立ちが表示され、埋め立て地や旧河川など軟弱地盤を把握することも可能です。


75_02

 さらに便利機能としては、

・左下の地図ボタンを押せば、地図を航空写真などに変更可能です。さらにハザード情報を重ねることもできます。

・右側の避難場所ボタンを押すと、現在表示させている災害種類ごとの、避難場所が表示されます。ただし地域によっては反映されていない場合があるため、避難場所を正確に把握するためには「自治体のハザードマップ」を確認した方が確実です。

・「凡例」ボタンを押すと、現在表示させている災害種類ごとの、色の意味や説明が表示されます。以前よりもボタンの場所が使いやすくなりました。

・またスマホのGPSを有効にしていれば、現在地を中心表示させることもできます。

・そして画面の最下段には、中心地の標高も表示されます。津波や洪水からの避難には標高が重要ですので、自宅や職場、最寄り駅などの標高はおおむね把握しておくようにしましょう。

    75_0375_04

 画像左は災害ボタンを押す前の状態です。4つの災害ボタンはそれぞれ押すことも、全て押して全部のハザード情報を表示させることもできます。全て押した状態が画像右です。

 次回のコラム後編では、それぞれのハザードボタンの詳細解説と、利用時の注意点についてご紹介します。



■■「事業継続計画を理解する3つのポイント」ご紹介■■■■■■■■■

「BCPってなに?」となるケースはまだ存在します。
具体的にBCPとはどのようなものか?
3つのポイントを使ってご説明いたします。

↓ダウンロードはこちらから
BCPとはなんだろう?「事業継続を理解する3つのポイント」

■■災害用としてのサイネージの使い方■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

いざという時の情報共有はどうしてますか?
災害に関する情報をサイネージを使って共有できます。
災害対策の1つとしてサイネージの利用方法についてまとめました。

デジタルサイネージ:社内の災害対策情報共有における課題と電子ペーパーサイネージによる解決方法
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■





Topics: BCP情報

あわせて読みたい

高荷 智也

Written by 高荷 智也