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土砂災害ハザードマップで自宅・職場周辺の危険を把握・2021版(避難編)

[fa icon="calendar"] 2021/09/22 11:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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 前回のコラムでは、土砂災害ハザードマップを閲覧する際の注意とポイントについてご紹介をいたしました。今回は、土砂災害が想定されるような状況における避難の注意点について解説いたします。

■土砂災害の前兆は手遅れの合図

 台風や大雨の前に、「土砂災害は前兆現象を感じたら早めに避難しましょう」と言った注意喚起がよくなされます。前兆現象…具体的にはどのようなものなのでしょうか。例えば内閣府の防災情報ページには、土砂災害に関する前兆現象として以下の様な注意点がまとめられています。

1) がけ崩れの前兆現象
・ がけにひび割れができる
・小石がパラパラと落ちてくる
・ がけから水が湧き出る
・ 湧き水が止まる・濁る
・地鳴りがする

2) 地すべりの前兆現象
・ 地すべり地面がひび割れたり陥没したりする
・ がけや斜面から水が噴き出す
・ 井戸や沢の水が濁る
・ 地鳴り・山鳴りがする
・ 樹木が傾く
・亀裂や段差が発生する

3) 土石流の前兆現象
・ 山鳴りがする
・急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
・ 腐った土の匂いがする
・ 雨が降り続いているのに川の水位が下がる
・ 立木がさける音や石がぶつかり合う音が聞こえる

 このような前兆現象に気づいた際には、周囲の人に伝えながらすぐに避難をしましょうということです。これはもちろん重要ですが、注意いただきたいポイントがあります。
 まず、土砂災害の前兆現象は、必ず発生するものではありません。大雨や大地震をきっかけに、あるいは何の前触れも前兆現象もなく、突発的に発生する可能性も多いにあり得ます。前兆現象を見かけたら逃げる、のではなく、少なくともハザードマップで色がついている場所にいる場合は、大雨や大地震などのトリガーが生じた段階で避難することが重要です。

 また、土砂災害の前兆現象は、厳密に言えば「前兆」ではなく、すでに土砂災害が起こり始めている「初期」現象であるということが言えます。たとえば土石流の前兆としてあげられている「急に川の水が濁り、流木が混ざりはじめる」というのは、すでに土石流が発生しはじめている現象です。写真を撮ってSNSに上げている場合はありません、走って下流方向ではなく少しでも高い川の横方向へ逃げてください。

■土砂災害の避難について

 という訳で、土砂災害の前兆現象を待って避難することは、手遅れにつながる恐れがありますので、基本的には自治体からの「避難情報」や気象庁からの「気象警報」を合図に避難を回避することになります。
 前回のコラムでご紹介した「土砂災害ハザードマップ」を確認し、自宅や職場の建物がある地点に「色」がついている場合は、いつ土砂災害に巻きこまれておかしくない場所と言うことになります。

 このような場所にいる場合は、家族の中に走って逃げることが難しい人(乳幼児・子ども・高齢者・要介護者…)がいる場合は「警戒レベル3」の段階で、家族全員が走って逃げられるような場合も「警戒レベル4」の段階で、避難場所へ移動をすることが必要になります。

 警戒レベル3は、市町村から出される「高齢者等避難」、気象庁から出される「大雨警報(土砂災害)」「危険度分布(警戒・赤)」などが該当します。

 警戒レベル4は、市町村から出される「避難指示」、気象庁から出される「土砂災害警戒情報」「危険度分布(非常に危険・紫)」などが該当します。

 夜間などで屋外避難ができない、危ないという場合は、少しでも土砂災害の影響から離れた部屋(崖の反対側、川の反対側、そして1階より2階)で過ごすようにしてください。

 

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