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ポータブル電源の選び方(用途・目的編)

[fa icon="calendar"] 2021/10/22 10:30:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


ポータブル電源  

 ちまたに溢れる防災トリビアや防災グッズの噂、それホント?という様々な情報を実験するシリーズ「自腹で検証!防災の噂」、今回のテーマは前回に引き続き「ポータブル電源」です。

前回はポータブル電源を選ぶ際の基礎知識として、知っておくべき機能・数字の見方の紹介をいたしましたが、今回は具体的な用途にあわせた選び方について解説いたします。

■「スマートフォンの充電用」にポータブル電源が欲しい
自宅または事業所において、ポータブル電源を、非常時やアウトドアなどでのスマートフォン充電用に準備したい場合は、「5,000mAh×7日間×家族の人数」で計算をすると、最低限欲しい容量を求めることができます。

1)スマホを1日1回フル充電する…必要な容量はおよそ5,000mAh
スマートフォンの標準的なバッテリー容量はおおよそ3,000mAh前後です。一方、ポータブル電源からスマホ充電を行う際、必ず変換ロスが生じるため、スマホのバッテリー容量と同じサイズのポータブル電源を用意すると、満充電にすることができません。
変換効率を70%と仮定すると、ポータブル電源の容量が5,000mAhあれば、「5000 mAh×0.7=3,500mAh」となり、多くのスマートフォンを満充電できる計算となります。

2)想定する停電の日数…7日間と仮定
停電が何日間継続するかは、災害の規模や被害の状況により変わるため、正確に想定することはできませんが、過去の復旧事例や想定される災害の復旧目標から考えると、停電の継続期間の目安は7日間となります。

3)一名のスマートフォンを1週間満充電できる容量…35,000mAh×人数
あとはかけ算です。「スマホ1回分の満充電に必要な容量:5,000mAh」×「7日」で、1名当たりに必要なポータブル電源の容量は、35,000mAhとなります。ポータブル電源をスマホ充電用に準備したい場合は、以下の様な目安で選ぶと良いでしょう。

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■「何に使うか分からないが」ポータブル電源が欲しい
停電に備えて家電や事務機器を動かせるポータブル電源が欲しい、しかし何に使うかは分からない、という場合には「定格出力」1,500W以上のものを選択するのがおすすめです。
家庭のコンセントの定格出力は1,500Wですので、一般的な家電は全て1,500Wあれば動かすことができるようになっています。つまり、定格出力1,500Wを上回るポータブル電源があれば、基本的にどのような家電であっても動かすことができるのです。
ただし、消費電力が大きい家電は、「起動電力」も大きい場合がありますので、ポータブル電源の「最大出力」も大きい機種を選ぶとなお安心です。

■使用したい機器と、使用したい時間が決まっている
一方、非常時の停電対策だけでなく、アウトドアや業務目的で、普段からポータブル電源を使用したい場合。さらに、使いたい機器とシチュエーションが決まっているという場合は、「消費電力×利用時間」の合計で、ポータブル電源を選ぶのがおすすめです。

1) 定格出力
まず、同時に使いたい電気機器の「消費電力」を全て足し合わせます。例えば、LED照明(60W)+ノートPC(25W)+扇風機(40W)+冷蔵庫(250W)であれば、合計375Wの消費電力となりますので、これを上回る「定格出力」を満たすポータブル電源を選択すればOKです。

2) 最大出力
次に、同じく同時に使いたい電気機器の「起動電力」を全て足し合わせます。例えば、LED照明(60W)+ノートPC(25W)+扇風機(80W)+冷蔵庫(1,000W)であれば、合計1,165Wの起動電力となりますので、これを上回る「最大出力」を満たすポータブル電源を選択することになります。

3)最大容量
最後に必要容量を求めます。必要容量は、「消費電力(W)」×「使用時間(h)」で求めます。例えばLED照明を8時間、ノートPCを8時間、扇風機を12時間、冷蔵庫を1時間動かしたい場合は、それぞれのかけ算となりますので、「60W×8h」+「25W+8h」+「40W×12h」+「250W×1h」となり、合計は1,410Whとなります。最大容量がこれを上回るポータブル電源を選べば、必要な電気機器を必要な時間動かせることになります。



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