Bitis ブログ

BCPの前提!企業の防災対策 第4話「従業員の命を守る地震対策」

[fa icon="calendar"] 2017/09/27 12:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


 BCP5回目.jpg

避難しなければ生命に危険が及ぶ場合の対応

 BCPの前提として行う「従業員の命を守る防災対策」、地震対策に続いて実施すべきは避難準備です。大地震に対しては、建物を強化したり、設備や什器をしっかり固定したりすることで被害を最小限にとどめることができます。しかし大地震の二次災害として生じる大規模火災や津波、あるいは大雨によってもたらされる洪水や土砂災害といった自然災害は、自社の努力だけで被害をゼロにすることはできず、避難しなければ命を守ることができないため事前対策として準備を行います。

ハザードマップを使い自社周辺の災害を確認

 避難計画の立案は、避難対象とする災害の洗い出しをすることから始めますが、まず自社の立地にかかわらず大規模火災を避難対象として取り上げます。次にハザードマップ(災害地図)を用いて、自社の立地に応じた自然災害を把握します。ハザードマップには災害発生時に想定される影響が記載されていますので、自社の状況を想定し避難が必要になりそうな災害をリストアップします

 海岸沿いであれば地震による大津波、最寄り河川の水面より低い地域であれば大雨による浸水、崖などに面していれば崖崩れ、山間の川沿いであれば土石流、火山の山中であれば噴火などが避難対象の災害となりますので、こうした災害が地域で生じないかどうかをハザードマップで確認してください。ハザードマップは役所の窓口で入手できる他、Webで「○○市 ハザードマップ」などを検索することでも閲覧・印刷が可能です。

 

ハザードマップを使い避難ルートを確認

 ハザードマップには災害による影響だけでなく、移動先となる避難場所なども記載されています。火災から避難する際には広い公園、津波から避難する際には高台や津波避難タワーなど、災害の種類によって避難場所は異なりますので、ハザードマップを見て避難場所を確認することが必要になります。 

 避難先には、「避難場所(指定緊急避難場所)」と「避難所(指定避難所)」がありますが、目の前の危険を避ける際に移動するのは「避難場所」です。避難所は被災生活を送る場所になりますので間違えないようにしてください。(※もちろん避難場所と避難所が同じという場合も多くあります)。なお一般的に、「避難所」は地元住民だけを対象としているため、企業は独自の準備が必要になります。避難所を頼らざるを得ない地域の場合は、必ず地元の行政や自治会と事前協議をしておきましょう。

また避難場所とあわせて、避難ルートの確認も行います。火災から避難をする際には木造住宅の密集地域を避ける、洪水から避難をする際には深く浸水する道路を避けるなど、避難場所と同じく災害の種類毎に避難すべきルートも異なってきます。安全な避難場所・避難ルートを事前に定め、防災訓練で実際に歩いてみることが重要です。

 

従業員用の非常持出袋を準備しておく

 避難が必要なほどの災害時には時間経過にしたがって状況が悪化しますので、できるだけ素早く行動をすることが重要です。あらかじめ従業員個人用の非常持出袋を作成しておき、各自のデスクやロッカーなどで保管させると時間の節約になります。中に入れる物としては下記の様なグッズを検討してください。

vol5.表.png

その他、スマートフォンを充電するための乾電池式充電器や、家族の安否確認をおこなわせるための家族の連絡先メモなどを入れておくようにするとよいでしょう。

 

避難訓練と本番時の対応

 大地震や建物で火災が発生した際は、原則として徒歩で避難することになります。特に高層ビルに入居している場合などは、非常持出袋を背負った状態で歩いて地上まで降りることができるかどうか、車椅子の従業員を降ろすことができるかどうかなど、実際のルートをつかった移動訓練をしておくことが必須です。

 

小さな地震・緊急地震速報を訓練に活用

 避難訓練というものはマンネリ化しがちです。また大地震は必ず不意打ちで生じますので、日付を決め手の訓練では臨場感が出しづらいという問題もあります。そこでオススメの訓練手法をひとつご紹介します。地震が生じて周囲がカタカタという 音を立てている際、何となく周囲を見渡しながら「大丈夫かなぁ……」「揺れが大きくなったら逃げよう……」 「テレビつけなきゃ……」などと考えたことがないでしょうか。多くの地震はそのまま収まりますが、もしその小さな揺れが、大地震の直前現象であった場合、貴重な時間をロスしてしまうことになります。

 そこで、カタカタという小さな地震が生じた際、また緊急地震速報を受信した際、その瞬間から避難訓練を開始してしまうという手法をとります。オフィス内で地震を感じた際、例えば「ドアの近くにいたらすぐに開ける」「コピーを取っていたら機材からすぐに離れる」「デスクにいたらすぐにヘルメットをかぶるか机に潜って足を押さえる」「エレベーターに乗っていたら全ての階のボタンを押して停止させる」など、大地震発生時に取ると望ましい行動を、各自が行うのです。もしそのまま強い揺れに襲われた際にはもちろん役立ちますし、そのまま揺れが収まったとしても意識を高める効果が得られます。

 


避難開始のタイミングについて

 実際に避難を開始するタイミングは2つあります。1つは事前、もうひとつは事後です。事前避難は、気象庁から発表される警報や、記録的短時間大雨情報・土砂災警戒情報などの各種情報。また市町村から発令される避難勧告・避難指示を受けて実行します。家庭の場合は個人の判断で行動をすればよいですが、企業の場合は「どういった情報が発表されたら避難を開始するのか」といった基準を定めておく必要があります。

 事後避難は災害による影響が出はじめた後の行動です。ビルで火災が発生した、大地震で生じた津波が迫ってきた、洪水による浸水がすでに始まっている、といった状態です。この場合は判断する間もなく避難開始となりますが、特に浸水害などが生じた場合は、すでに避難ルートそのものが危険な状態になっている可能性が高いため、屋外に出ることが危険な場合は建物の上階に避難するなどの対応が必要になります。

  

Topics: BCP情報

あわせて読みたい

高荷 智也

Written by 高荷 智也


新規CTA

最新記事