朝礼は従業員のモチベーションを上げる効果があります。しかし、話の内容次第では逆効果になる可能性もあるため注意しなければなりません。
本記事では、朝礼でモチベーションが上がる理由や、モチベーションアップにつながる朝礼を行う方法について紹介します。
【目次】
朝礼は従業員のモチベーションを高める
従業員にもう少し仕事にやる気を出してほしいと思っているときは、朝礼を工夫してみるのもひとつの方法です。朝礼には従業員のモチベーションを上げ、仕事の生産性を高める効果が期待できます。
ただし、朝礼の内容次第では逆にモチベーションを下げる結果になる場合もあり、注意が必要です。ここでは、朝礼の目的などについて紹介します。
参考記事:社員のモチベーションアップや生産性向上における課題とは?
朝礼の目的
朝礼には、主に次のような3つの目的があります。
- 情報を共有する
- コミュニケーションを図る
- モチベーションを高める
業務をスムーズに進めるためには、情報の共有が欠かせません。朝礼は従業員全員に重要な連絡事項を伝え、必要な情報を行き渡らせることを目的としています。
また、朝礼で従業員が順番にスピーチを行うことで、普段はあまり関わらない従業員について理解し、コミュニケーションを図るきっかけにもなります。チームワークの強化にもつながるでしょう。
さらに、朝礼では従業員がその日に行う目標を示すなどして、仕事に対するモチベーションを高めるという効果もあります。
関連記事:「行動指針とは?役割や策定までの具体的な流れを解説」
モチベーションが上がるかは内容次第
朝礼でモチベーションが上がるかどうかは、朝礼の内容にもよります。何度も聞いているような内容ではうんざりしてしまうだけで、朝の大切な時間を無駄に費やしてしまいます。
また、朝礼で「目標が達成できていない」などマイナスな話を繰り返したり、従業員を叱責したりすることは、逆にモチベーションを下げることにもなります。モチベーションが上がる朝礼にするためには、内容をよく考える必要があります。
参考記事:「職場環境でモチベーションは変わる!やる気を引き出す環境の作り方」
朝礼でモチベーションが上がる3つの理由
朝礼の内容を工夫すれば、従業員のモチベーションを高めて業務の生産性を向上させることができます。仕事の目標が明らかになり、これから仕事を行う姿勢へと気持ちが切り替わるからです。
また、朝礼で仕事に対する注意喚起を行うことにより、安全意識も高まるでしょう。ここでは、朝礼でモチベーションが上がる3つの理由について紹介します。
1.仕事の目標を明らかにできる
朝礼で仕事の目標と達成するべき数字を示すことで、従業員はその日に業務で行うべきことを再認識できます。前日の売上金額や来客数などを具体的に示し、できていること、足りないことを伝えれば、今日は何をするべきか自覚できます。
また、社長や部長など、組織のリーダーが直接従業員に思いを伝えることは、仕事への使命感や自発的な行動を促すことにもつながります。
2.気持ちの切り替えができる
朝礼は従業員に一日の仕事が始まるという意識を与え、オフからオンへ切り替える役割を果たします。
来社してそのまま業務にあたるのでは、気持ちの切り替えがうまくできません。しばらくはバタバタと無駄な時間を過ごすことにもなるでしょう。接客業務でもたついていては、信頼も損ねてしまいます。
しかし、朝礼を行うことで仕事のリズムを作り出すことができ、前向きな気持ちで業務に取りかかることができます。
3.仕事に対する安全意識を喚起できる
朝礼は仕事に対する安全意識を喚起し、事故の防止に役立ちます。従業員がスピーチでヒヤリハットの体験などを話すことで、ほかの従業員にはより慎重に仕事へ取り組む意識が芽生えます。
安全意識を持って仕事に取り組むことはトラブルを減らすだけでなく、生産性の向上や会社の信頼性を高める効果を生むことにもつながります。
参考事例:株式会社コモ様「デジタルサイネージで社員向けにタイムリーな情報情報共有を実現」
モチベーションの上がらない朝礼とは
朝礼は、内容によっては従業員のモチベーションを下げてしまう可能性もあります。話が退屈で長いだけの朝礼では、従業員は朝から疲れてしまいます。従業員のミスを報告するのも、仕事への意欲を下げることになります。
スローガンをただ復唱するだけの朝礼も、モチベーションアップにはつながりません。ここでは、モチベーションの上がらない朝礼について紹介します。
話が退屈で長い
退屈な話を長く続けられては、従業員のモチベーションは上がりません。朝の貴重な時間をただ無駄にしてしまうだけです。
例えば、従業員の持ち回りスピーチで自分の話を延々と続けてしまうと、ほかの従業員はうんざりしてしまいます。
朝礼の意義や目的が理解されず、ただ朝礼を惰性で行っている場合にありがちです。
従業員のミスを報告する
仕事のミスやクレームの報告も注意喚起のために必要ですが、朝礼で行ってしまうと従業員は朝からネガティブな気持ちになります。業務にも影響してしまいます。
特にほかの従業員の前でミスを指摘する、説教するといったことは、仕事への意欲をなくし離職にもつながりやすくなります。
ネガティブな内容は全体のモチベーションを下げることになるため、1日のスタートである朝礼では避けなければなりません。
ネタがなく最近のニュースなどを持ち出す
交代のスピーチで話すネタがないと、最近のニュースを持ち出すなど、朝礼には適さない話をしてしまう場合もあります。朝礼が形骸化して、ただ義務的に行っているような場合にありがちです。
また、朝礼をやらされているという意識が強く目的を理解していない場合などは特に、スピーチで話す内容に困って中身のない話になってしまいます。
スローガンを復唱する
朝礼で社訓やスローガンを復唱することもよくある光景です。スローガンの復唱は読み上げることで内容をよく理解できるというメリットはありますが、ただ復唱するだけでは意味がありません。
復唱にはどのような目的があり、何に意識を向けたら良いかを示さなければ、惰性で行うことになってしまいます。意味がわからず復唱していても、モチベーションは上がりません。
参考記事:「部下のモチベーションは上げる必要なし!上司がすべきことまとめ」
モチベーションの上がる朝礼を行う3つの方法
モチベーションの上がる朝礼にするには、いくつかの方法があります。まずポジティブな内容にすることが不可欠です。従業員を褒めるなど、気持ちを上げる内容にするとよいでしょう。
また、直近の業績を具体的な数字を示して伝えることで、やる気を高めることができます。話をわかりやすく伝えるためには、PREP法で話すことも大切です。
モチベーションの上がる朝礼を行うための方法について、3つ紹介します。
1.従業員を褒める
モチベーションのアップには、従業員のミスを指摘するのではなく良かった点を取り上げて褒めることが大切です。褒められた当事者のモチベーションが高まることはもちろん、それを見てほかの従業員も頑張らなければという意欲が高まります。
顧客から届いた感謝の声を読み上げる、従業員同士で良い点を出し合うといった方法もおすすめです。ポジティブな気持ちで1日を始めることができるでしょう。
2.直近の業績を発表して目標を示す
売上の数字など、直近の業績を発表して目標を示すことも効果的です。行っているキャンペーンの反響や、競合他社の状況なども伝えれば、従業員は自分が何をしなければならないか具体的に考えることができます。
何をすればより高い数字を出せるか、より良いパフォーマンスができるか、他社よりも優位に立てるかを考え、意欲を高めることができます。
3.PREP法で話す
朝礼での話し方を工夫することも重要なポイントです。話の内容は良くても、話し方が要領を得なければうまく伝わりません。理解しづらいと、従業員のモチベーションは上がらないでしょう。
話し方のポイントは「PREP法」です。PREP法とは、次の4つを内容にしています。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(例)
- Point(結論)
最初に結論を述べて次に理由を説明し、例をあげて理解を促しながら結論を述べるという手法です。PREP法を使って話をまとめることで内容がわかりやすく伝わり、モチベーションのアップにつながります。
参考記事:「職場環境でモチベーションは変わる!やる気を引き出す環境の作り方」
まとめ
朝礼は、従業員のモチベーションを高めるために役立つものです。朝礼はモチベーションアップとともに、全従業員に情報を共有し、コミュニケーションを図るという目的もあります。
これら朝礼の目的を十分に理解せず形骸化してしまうと、逆に従業員のモチベーションを下げることにもなってしまいます。
朝礼で従業員のモチベーションを高めるには、従業員を褒める、業績を示して目標を明らかにするほか、PREP法で話すなどの工夫も必要です。記事も参考に、朝礼で従業員のモチベーションを高め、業績アップにつなげましょう。
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