Bitis ブログ

【ドラッカー】夢の国で学んだこと~あなたは勤勉タイプと職人タイプどちらですか?~

[fa icon="calendar"] 2017/12/11 9:00:00 / by 高橋昌也

高橋昌也


 GettyImages-478432264-1.jpg


指を束ねる腕の役割

 チームを預かる管理職やリーダーになると、自分の思うとおりに部下を動かして、自らが望む成果をあげたいと思うようになりませんか。でもそう思えば思うほど、思うようにはならないものです。自分の分身が何人かいたらいいのになどと勝手なことを考えたりしたこともありました。

 

 先日、元リッツカールトン・ホテルの日本支社長の高野さんも、こんな話しをしていらっしゃいました。日本でリッツを立ち上げるとき、メンバーとの意思疎通が儘ならず、なかなか思うように進まない状況の中、自分の分身がいたらどんなに楽だろうと考えたそうです。

しかし自分の手を見て、右手の指が全て親指だったら作業が捗るのだろうかと考えたとき、間違いに気がついたと言います。それぞれの指にはそれぞれの役割があり、その機能を果たすからこそ力を発揮するのです。そしてそれを束ねている腕がマネジメントの鍵を握るのだと話していました。

 

 組織も同様で、指示命令で動く人の集まりではなく、主体的に動くことのできる人メンバーのチームであることが重要です。そこで大切なのがミッションです。何のためにそれを行うのかということです。腕であるミドルマネジメントの役割は、ただ指を束ねるだけでなく常にこのミッションを伝え、チームメンバーが同じ目標に向かって進むようにリーダーシップを発揮することです。そうすることでメンバーは、いちいち上司の指示を仰がなくても向かうべき方向に進むことができます。

 

スロークッカーの存在

 先日、愛用していたヘアドライヤーに寿命がきました。以前から家族で使っていましたが、最後は焦げ臭くなり役目を終えました。製造年を見たら2008年でした。なんと10年も奉公してくれたことになります。10年間で3,650日、毎日休むことなく働き同じパフォーマンスを発揮し続け、期待どおりに成果をあげてくれたドライヤーでした。すぐに新しいものを購入しましたが、今度も10年持つのでしょうか。

  愛用している道具がもう一つあります。それがスロークッカーという煮込み料理専門の鍋です。ヒーターで陶器の内鍋を加熱して調理するもので炊飯器に似ています。

今年の春「未使用なので使ってくださる方がいらしたらお役立ていただけますか。」と町内会に寄贈された品物の一つでした。そして他のものが殆ど貰われていく中で、この鍋は最後まで残されていました。同じ調理鍋でも、今の主流は短時間調理の圧力鍋のようで、作るのに何時間も要するこのタイプは、全く人気がなく引き取り手がありませんでした。

そこで私が譲り受けて使うことにしました。使ってみると時間はかかりますが、コクのある好みの味に仕上げることができるようになりとても重宝しています。

 趣味もかねて賄いをする私は、じっくりと煮込む料理をよく作ります。愛用の鍋が、古くて焦げ付くようになったので、新しいもの、それも圧力鍋ではないものを探している処でした。面白いことに他の人達の食指が動かなかったものが、私にはとても使い勝手のよい優れものになりました。


四十にして惑う

 こんな道具を使いながら、30数年身を置いた組織人時代のことを考えていました。同じ組織人でも様々です。私の周りにもヘアドライヤーくんのように持ち前の力を発揮して、そつが無く勤め上げる人がいました。それぞれの異動先でも大きな失敗をせずリーダーとして活躍し、ミドルマネジメントとしてサラリーマン生活を終える勤勉なタイプです。

 一方でスロークッカーくん。限られたニッチなパフォーマンスで生きる職人タイプ。組織に馴染まず偏屈なところがあります。そのニッチな力量が発揮される場にあるときは、誰もが目を見張る成果をあげ成長を遂げていきますが肩書にはあまり縁のないタイプです。

  私自身は、自称ドライヤーくんタイプだと認識していましたが、仕事で躓いて体調を崩したことからこの路線は怪しくなって行きました。かといってスロークッカーくんを目指せるような職人肌でもありませんでした。

「四十にして惑わず」といいますが、私の四十は、まさに迷いと困惑の最中でした。目の前の山積みの仕事に翻弄され、分身の親指を求めたり、思うように動かないスロークッカーくんに辛く当たったりととてもイケていない管理職だったと思います。

 

何を磨くの?

 でもその迷いと混乱の後で改めて考えたことがあります。自分は何のためにこの組織にいるのだろうかということでした。そう、最初に書いたミッションのことです。自分は躓いたことで、自らのミッションも組織のミッションも見えなくなっていました。というよりもミッションが見えなくなったから躓いたと言えるかもしれません。

 いずれにしてもこの躓きは、自分の価値観とディズニーの価値観を再確認し、そこに根差したミッションについて真摯に考える大きなチャンスになりました。

 今実感していることは、その後自分はドライヤーくんではなく、スロークッカーくんの道を選んだということです。その時からスロークッカーとして自立するための自分磨きと人脈づくりに投資するようになりました。皆さんは自分磨きにどのくらい投資をしていますか 

 

Topics: 自己啓発

あわせて読みたい

高橋昌也

Written by 高橋昌也