◆POPを活用した実証実験~その5~◆
7つ目のメソッドは「現状維持バイアス」です。
人間は変化を恐れます。正確には脳が変化に対して拒否反応を示すのです。
少し本筋から逸脱しますが、脳はサボり癖があることを理解している人はわずかです。夢を実現させたり、目標を達成する人に共通しているのは、脳がサボらないように心でコントロールしているのです。今更ですが、脳と心は連動しており、脳を自分の味方につけるためには挫(くじ)けない心を鍛えることが条件なのです。
例えば、金メダリストは強くなるために身体だけを鍛えているわけではないことは多くの人が理解していることです。「心技体」が揃ってこそ世界の頂点に立てるのです。
心を整えることで技や身体が世界レベルに成長していきます。そして、いかに脳を技や身体と連動させるかは心の在り方次第です。
サボる脳であれば、技や身体が世界レベルであっても成果は上げられません。逆に、脳だけが優秀であっても、技や身体がなければ同じように成果となりません。
しかし、私たちの世界つまりビジネス界では脳さえサボらなければ成長や成功できる世界でもあります。
働く脳さえあれば、ビジネス界では技や身体はカバーできるため、脳のサボり癖を認識し、成長へと導きたいところです。
前段が長くなりましたが、「現状維持バイアス」とは脳の癖に起因します。ビジネスの世界でどのように活用することが成果につながるかを見ていきましょう。
◎新規客を獲得する方法
新規客を獲得する場合は、商品サービスプランのわかりやすさがポイントです。これまで利用していた商品サービスやブランド、店舗を乗り換える際にこの現状維持バイアスが作用します。
乗り換えようとすると脳が拒否反応、つまりバイアスが働きます。このバイアスを企業(店舗)側は解除しないと新規客獲得にはなりにくいのです。
解決方法としては、大きな変化と感じさせないことです。少しの労力で商品サービスなどのプランが変えられることをアピールするのです。
画像1は、プロセスを単純化しています。いきなり3ステップ目を提示するより、わずかな変化と認識させ、新規客の脳が拒否反応を示すことを押さえます。
<画像1>
また、画像2のようなキャッチコピーをPOPやデジタルサイネージ、SNSで活用することも「現状維持バイアス」を解除する方法です。
脳が拒否反応を示さない程度のプランの提案が効果的です。
<画像2>
◎サブスクリプションの実態
サブスクリプション(以下、サブスク)は既存客の心理を考えると、面倒な手続きもなく長期で商品サービスやブランド、店舗を利用できるメリットがあるため人気になるのは当然の現象です。
これも現状維持バイアスの一つの事例になります。
毎回契約を結ぶとなると、わずかな拒否反応で解約のリスクがついて回ります。企業(店舗)側からすると、解約のリスクが低減され、継続してご利用頂ける仕組みです。
このように既存客側のメリット以上に提供する企業(店舗)側のメリットが大きいのがサブスクです。
一度加入して頂くと現状維持バイアスが働き、解約に至るケースはとても少なくなります。
企業によっては手続きを煩雑にすることで解約をさせないなど、最近は悪質なケースも増えています。このようなことは論外です。
現状維持バイアスは、買い手(消費者)側も売り手(企業)側もメリットがあるように働かせることが求められます。
デジタルサイネージを活用する場合は、画像1や2のような表現をヒントに、新規客の現状維持バイアスを緩和させて乗り換えやすくすることと、既存客にはサブスクのような現状維持バイアスが働きやすい仕組みを提供したいところです。
<メソッド7>
変化を恐れ、未知なことを避ける脳の癖を理解することから、現状維持バイアスを有効活用する一歩となる。
==============================================================
メッセージボードとして電子ペーパーサイネージを活用してみませんか?
タブレットサイズのモニタとコンテンツ配信サービス『PICLES』で
効率よくメッセージ訴求をしましょう!
お問い合わせはこちらから。
==============================================================
デジタルサイネージのブログを更新しています。
POP広告とデジタルサイネージを利用して新しい販促を行いませんか?
デジタルサイネージについては、こちらの記事もお読みください。
「デジタルサイネージ:コロナ時代のショッピングセンターの活用事例」
==============================================================