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POPなマーケティング ~その6~

[fa icon="calendar"] 2022/07/20 10:00:00 / by 沼澤 拓也

沼澤 拓也


POP広告

 

◆POPを活用した実証実験~その6~◆

 8つ目のメソッドは「サンクコスト」です。


 やめられないことはありませんか?ここまで継続購入してきたものやマイレージ会員を他社に変更しないなど、貯めたポイントや特典がゲットできる仕組みによくある心理です。

 これも以前触れた損失回避の一つです。得することより損することが心理的に重たいため、これまでかけたコストを回収しようと合理的な意思決定ができなくなります。
結果、さらにコストがかさむ現象をサンクコスト(埋没費用)といいます。

 市場開拓や商品開発、資産運用などビジネスに関することだけではなく、ゲームやギャンブル、恋愛に至るまで、いかに勇気をもって撤退するかです。
 ここで追加投入は避けなければならない重要な判断です。

 あなたがサンクコストに陥りやすいか否かは次のチェックでわかります。


 
 <チェック>
面白くない映画を観ています。あなたの判断はどちらですか?
 A)最後まで観る
 B)途中で帰る

 Aを選択した方は、サンクコストに陥りやすい判断をとりやすいタイプです。約2千円の映画料金の元を取るため、2時間ほども無駄な時間を浪費してしまいます。資産運用のケースで考えると、株価が下がり損切できず数年その資金を寝かさざるを得ない状況です。


 Bを選択した方は、無駄な時間を有効なことに切り替える判断です。資産運用ではまさに損切をした状況です。
 
 どちらが正解ということではありません。例えば、我慢して観つづけた結果、良い映画だったということもあります。損切りせずに持ち続けたことで株価が上昇するというケースもあります。
 しかし、総合的な分析ではサンクコストに陥らない判断が功を奏します。

 コストとはお金の印象が強いですが、時間と労力を含めて3つあります。
<チェック>をお金だけでみると、映画を最後まで観るほうが無駄使いにならないように思えます。時間と労力のことも考え判断するとサンクコストに陥りません。
サンクコストに陥らないためには対策が必要です。
代表的な3つを押さえることがポイントです。

1)ゼロベースで判断

 時間軸は過去・現在・未来に分かれます。ゼロベースで判断するとは、現在を起点にして3つのコストを分析することです。「A)映画を最後まで観る」を選択するのは、過去に支払った映画料金と数十分の消費した時間の心理的要因が大きいからです。
 現在を起点に費用対効果を考え判断することです。

2)客観的な判断

 主観的な判断は陥りやすさを助長します。第三者の目線で感じることや第三者の声を聞くことがポイントです。合理的な判断とは何かがわからなくなる結果がサンクコストです。前述しましたが、合理的な判断とはうまくいかない事業や市場などの撤退です。撤退は経営者やプロジェクトリーダーの意思決定の中でも特に重要な仕事です。戦国時代の殿(しんがり)部隊が重要視されていたことからも理解できます。

3)機会費用にフォーカス

 重要なため繰り返し伝えている「損失回避」が人間の心理に影響する大きな要因です。そのため、目先の損失にとらわれてしまいます。
損失の面をみるのではなく、撤退することで「機会創造」につながることにフォーカスしたいです。未来から現在をみたときにどのような状況がベストなのかという目線で意思決定することです。

 ほとんどの消費者はこのような人間の心理を分析しません。結果、サンクコストに陥りやすいのです。

 今回のコラムは、これまでと異なる結論に向かってまとめたいと思います。


◎こんなPOPを見かけたら要注意

 お試し企画をよく見かけませんか?単なる試食や試飲であれば、有難く体験したいところです。しかしお試しをした結果、サンクコストにつながる企画もあります。


<画像1>お試し企画①

 商品・サービスに付録がついている場合があります。付録に要注意ということではありませんが、継続購入が必要になりそうな付録の場合は要注意です。特に初回の購入しやすさで訴求してくる情報には、サンクコストのことを思い出して一旦立ち止まることも大切です。

 

<画像2>
付録①

 会員募集の広告はよくあることです。会員になることで多くの特典を得られることは消費者にとって有難いことです。しかし、最上位クラス到達までついつい続けてしまう恐れがありますので、前述した3つの対策「ゼロベースで判断」「客観的な判断」「機会費用にフォーカス」が重要です。

 

<画像3>
ゴールド会員①

 

<メソッド8>

 サンクコストは人間が陥りやすい心理です。そのため、企業が活用したいメソッドの一つですが、消費者視点を組み込むことがお互いの信頼感につながります。


 
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Topics: デジタルサイネージ

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