街中や商業施設などで見かけるデジタルサイネージですが、設置場所や用途によって使用される種類が異なることをご存知でしょうか。
デジタルサイネージはLEDや液晶など様々な種類がありますが、その中の1つに電子ペーパーサイネージがあります。電子ペーパーサイネージはLEDや液晶とは異なる特長を持っており、防災ツールとしても効果を発揮します。
本記事ではその電子ペーパーサイネージの特長や防災活用方法とメリットについてご紹介します。
電子ペーパーサイネージとは、視認性や携帯性を保つ紙媒体の長所と電気によりデータを書き換える電子ディスプレイの長所を合わせ持った表示媒体です。電子書籍端末や電子ペーパータブレットの大型のものとイメージするとわかりやすいかもしれません。
現在モノクロの電子ペーパーサイネージが多く使われていますが、カラーのサイネージも増えてきており、利便性はますます高まっていくと期待されます。
それでは次に、電子ペーパーサイネージはどのような特長があるのかご紹介します。
・ディスプレイが発光しないため、太陽光下でも見やすい
LEDディスプレイや液晶ディスプレイと比較して輝度は低いですが、太陽光でディスプレイ
が反射して見えなくなるということがありません。
落ち着いた雰囲気の店舗や美術館などでご利用いただく場合に最適です。
・高いコントラスト
紙媒体同様のコントラストで表示することができるため、視認性が高く、文字で情報を共有
したい場合にも適しています。
・広い視野角
ディスプレイの視野角が広いため、横から画面を見たときもしっかりと表示されているコン
テンツを見ることができます。
・消費電力が少ない
液晶ディスプレイと比較してバックライトがなく、さらにコンテンツの表示を切り替える際
に電力を消費するため、消費電力の大幅削減ができます。
・電力供給がなくても、表示を維持する
停電があった際など電力供給がない場合でも、コンテンツをそのまま表示し続けることがで
きるため、災害時の情報伝達手段として最適です。
いくつか特長をご紹介しましたがその一方で、動画など表示切り替えを頻繁に行うコンテンツを表示する場合は、画面の切り替えが追いつかない、前回表示したコンテンツの情報が残りやすいなど短所もあるため、表示するコンテンツや表示切り替え頻度には注意が必要です。
次に電子ペーパーサイネージを防災活用するメリットをご紹介します。
・停電時でも災害情報を共有することができる
電子ペーパーサイネージは電力供給がなくてもコンテンツの表示を維持することができるた
め、停電が発生した場合でもスタッフや施設の利用者などへ地震が発生したことを知らせた
り、避難を促したりすることができます。
・スタッフの負担を軽減し、迅速に情報共有ができる
災害発生時はイレギュラー対応が多く、普段通りに行動ができない場合も想定されます。そ
んな中避難誘導や安全確保をしなければならないためスタッフの負担が大きくなることもあ
ります。
これはデジタルサイネージ共通のメリットですが、あらかじめ災害用のコンテンツを用意し
ておけば情報更新の手間を省くことができるため、スタッフの負担の軽減につながります。
また、大きなディスプレイを設置することで、一度に多くの人へ情報を共有することができ
るため、避難誘導の際に補助ツールとしても活用ができます。
・ホテルや美術館など景観が重要な場所にも利用しやすい
LEDや液晶の場合、輝度が高いため見やすいですが、周りの景観よりも目立ってしまい、景
観を損ねる場合があります。
一方で電子ペーパーサイネージは輝度がLEDや液晶よりも低いため、周囲の環境になじみや
すく、景観を損ねずに情報共有ツールとして活用できます。
ホテルや美術館の施設では多くの来館者がいるため、避難誘導の際などに役立ちます。
・コントラストが高く目に優しいので、高齢者が多い介護施設や病院などにも有効
高齢になると、目の老化によりコントラストの低いものが見えにくくなったり、明るいもの
を見るとまぶしく感じてしまうことがあります。
電子ペーパーサイネージは紙媒体と同じように高いコントラストを持ち、また目に優しいの
で、高齢者の方が多く利用する介護施設や病院などで情報を伝えるのに最適です。
また、耳が聞こえにくい方や外国人の方も利用する場合もあるので視覚的に情報を伝えるこ
とで効果を発揮します。
LEDや液晶と共通するメリットもありますが、設置場所によっては電子ペーパーサイネージを活用することで高い効果を発揮させることができます。
それでは電子ペーパーサイネージがどのように防災活用できるのか、その方法をご紹介します。
1.災害発生時に災害が発生したことをお知らせする
地震や津波など突発的に発生する災害が発生した場合、身の安全の確保が最優先になりま
す。災害を知らせる媒体はスマートフォンやラジオ、テレビなど様々なものがありますが、
視覚的に知らせる方法として電子ペーパーサイネージも有効です。
災害情報を手動で共有する方法もありますが、緊急地震速報連携やLアラート連携といった
自動で画面切り替えができるオプションを利用することで、スタッフの負担を軽減し迅速に
情報共有する効果が期待できます。
2.避難を促したり、避難場所の案内をする
災害発生後、規模によっては避難場所へ避難する必要があります。
しかし施設などによっては初めて訪れる人もいるため、避難場所がどこにあるのかわからな
い場合もあります。そんな時に電子ペーパーサイネージで地図を表示することで、素早く避
難誘導をしたり、一度に多くの人へ情報を伝えることができます。
コンテンツをあらかじめ登録できるシステムであれば、事前に避難場所の案内を用意した
り、場所ごとに避難場所を変更するなどで、時間をかけず適切な情報を伝えることができま
す。
3.最新の気象情報やお知らせを共有する
台風や豪雨などは最新の情報を共有することで1つの判断材料となり、早めの避難行動や防
災対策をとることができます。
また台風などは急な進路変更や停滞することもあるので、常に最新情報を共有することで、
臨機応変に対応することができます。
4.避難所内のお知らせや注意事項、配給情報などを共有をする
大規模災害が発生した場合、避難所での生活が長くなる場合があります。避難所では多くの
人が生活するため、避難をしている人同士の配慮や感染症予防など注意事項をお知らせする
ことでトラブルを軽減することにつながります。また、生活している間配給や給水などのお
知らせをする際にサイネージでを活用すると手間なく情報共有をすることが可能です。
ここまで電子ペーパーサイネージの特徴や防災活用をするメリット、防災活用方法をご紹介しました。
電子ペーパーサイネージを防災活用することで、停電などが発生した時でもスタッフの負担を軽減しつつ、災害情報を迅速に共有することができます。またLEDや液晶のディスプレイが合わない場所での活用もできますので是非参考にしてみてください。
■■災害用としてのサイネージの使い方■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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電子ペーパーサイネージについては、こちらの記事もお読みください。
「デジタルサイネージ:社内の災害対策情報共有における課題と電子ペーパーサイネージによる解決方法」
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