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いまさら聞けない!防災のキホン vol.4  COVID-19の最新状況と考えるべきこと ~後編:突発的な物不足への備え~

[fa icon="calendar"] 2021/01/14 12:37:59 / by 高荷 智也

高荷 智也


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 首都圏に加えて7府県を対象に緊急事態宣言が出されました。前回のコラムでは2020年のCOVID-19流行状況を振り返ってみましたが、今回はこれらの状況から得られたこと、今改めて認識しておくべきことなどを考えて参ります。


■突発的な物不足が相次いだ2020年のCOVID-19

 2020年はCOVID-19の影響でしばしば「店頭」からものがなくなりました。

● 急激な需要の高まりを受けて、1月末から5月末まで「マスク」「消毒薬」などが消えた

● デマの影響を受けて、2月末に「ティッシュペーパー」「トイレットペーパー」が消えた(マスクと原材料が等しいため供給が減るというデマ)

● 誤った情報影響を受けて、在宅医療器具などに用いる「精製水」が一時的に品薄となった(希釈不要な消毒用エタノールを薄めて使うという誤情報)

● 学校の休校や巣ごもり需要の影響を受け、パンケーキミックスや冷凍食品などの食料品が一時的に品薄となった

● テレワークの急激な普及に伴い、WEBカメラやPCモニタなどが一時的に品薄となった

など、急激な需要の高まり、あるいはデマの影響を受けて、必要なものが突然入手出来なくなり、しかもしれが長期間続くというような状況が相次ぎました。

 一方このような状況は、パンデミック時に限らず、その他の自然災害前後においてもしばしば生じております。台風の接近が報道されると、停電対策用の乾電池や日持ちする食べ物が品薄となったり、昨今では窓ガラスに貼るための養生テープが品薄になったりといった影響が見られています。

 また、大地震などが発生すると一時的に防災意識が高まり、被災地以外の地域でも地震対策用品や、備蓄品などが品薄になるといった状況も生じています。企業の防災備蓄品の入れ替え時期と重なる場合、調達が困難になるなどの影響が生じる訳です。
大地震や大規模風水害などの自然災害による、サプライチェーンの断絶、各種の仕入が難しくなる状況に備え、BCPなどを策定している企業も多くあると思います。しかし私達個人や家庭が、ここまでの準備をしているケースは希であり、突発的な物不足に対する準備は不十分であると言えます。


■「突然必要な物がなくなるという“二次災害”」

 このような、何かの原因で突然必要な物がなくなる状況は、いつでも起こりえます。物不足の原因が「デマ情報」であり、自分自身はそのデマに踊らされないだけのリテラシーを備えていたとしても、「誰かが“デマに踊らされて”買い占めを行う」→「その誰かを警戒して“念のために”買い占めを行う」といった人々がいる限り、この状況は解決されません。
自分自身は冷静であったとしても、「ある日、突然、何かの原因で、必要な物が買えなくなる」といった事態は、必ず起こりえます。これは理屈ではなく、「突然必要なものがなくなるという“二次災害”」なのです。ということは、これを災害と認識して対策を講じておく必要があります。
企業においては、BCPなどを用いることで「事業継続に不可欠な経営資源」を維持する準備をすることになりますが、個人の場合は家庭単位で対策をする必要があります。この際におすすめしたい手法が「日常備蓄」です。


■「日常備蓄」による「物が買えなくなる災害」への備え

 食料品や日用品を始め、わが家にとっての必需品は家庭毎に異なります。しかし、いつ何が買えなくなるかは分かりませんので、生活維持に必要な消耗品については、ある程度の在庫を常に確保し続けるようなライフスタイルが必要となります。これが「日常備蓄」別名をローリングストックです。

 日々消費する食品や日用品、在宅医療に必要な道具、介護用品や赤ちゃん用品、ペット用品など、なくなると日々の生活に支障をきたす対象については、常に1~2ヶ月分程度の在庫を確保し、なくなってから補充するのではなく、なくなる前に買い足すといった対応が必要になります。
「どうせ使うもの」を先に確保するだけですので、防災専用の非常食を準備するなどと異なり、特別な出費にはなりませんし、入れ替えながら使って行くため期限管理も不要となります。常に在庫を持ち、なくなる前に安いタイミングで補充する、これが「日常備蓄というライフスタイル」です。

 引き続き継続するパンデミック、直近で相次ぐ大雪の被害、またいつ生じてもおかしくない大地震や、台風・大雨といった自然災害に備えて、ぜひ日常備蓄による物不足への備えを行っていただきたいと思います。慌てて買い占めをする必要はありませんが、次の買い物のタイミングで、もうひとつだけ余分に買う、ということをしばらく継続してみるのはいかがでしょうか。

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Topics: BCP情報

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