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防災のキホン:我が家のペットの防災(前編)

[fa icon="calendar"] 2024/04/25 10:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


ペット防災  

我が家の大切な家族として「ペット」がいるご家庭も多いと思います。この時気になるのが災害への備えではないでしょうか。人間・動物の関わりなく、全員が弱者となる被災時に対して、どのような備えをすべきでしょうか。

今回はペットの防災に関するお話です。

 

■子どもより犬・猫が多い日本


少子高齢化の影響で、人口減社会を迎えている日本。ところで今、子どもの人口はどのくらいなのでしょうか。
総務省の統計によると、2023年の時点で15歳未満の子どもの数は「1,435万人」となっています。
一方、ペットとして飼育されている犬と猫、実は子どもよりも多いのです。

ペットフード協会が毎年実施している「全国犬猫飼育実態調査」によると、2023年の時点で飼育されているペットは、犬が684万頭、猫は906万頭、イヌとネコだけで「1,590万頭」と、実は子どもの人口よりもペットの数の方が多いのです。
数字の上でも「ペットは家族」という世帯が多いのです。



■ペット防災の最重要事項は地震対策


そこで重要な「ペットの防災」ですが、人間も犬も猫も、ミミズもオケラもアメンボも、防災の優先順位は同じです。
いや、後半の三匹は少し異なるかもしれませんが…。家庭の防災の最重要事項は「災害で即死しない」準備、とりわけ突発的に生じる大地震から、ペットの命を守るための準備が重要です。

ペットフードの備蓄や、避難用のセットを作成しても、倒壊した建物や転倒した家具にペットが押しつぶされてしまえば意味がありません。台風や大雨による影響は事前に警告が出されますが、大地震は常に「不意打ち」で生じますので、事前対策の有無がそのままペットの生死を決めてしまうのです。

犬や猫は人間よりも身軽に動くことが出来ますが、それでも突発的な大地震で建物が倒壊すれば逃げ場がありませんし、寝床を大型の家具や家電が襲えば逃げることは困難です。
建物を潰さない対策、ペットの寝床に大きな家具や家電が倒れたり飛んだりしてこない準備を、まずは整えることが重要です。

 

室内対策においては、以下の様なポイントを確認してください。

  • 転倒してくる家具を置かないか固定する
  • 落下してくる荷物・重量物を置かないか固定する
  • 移動してくる家電やキャスター付き器具を置かないか固定する
  • 割れて飛散するガラス製品を置かないか飛散防止対策をする
  • 窓ガラスについても飛散防止フィルムなどを貼り付けてペットの危険を回避する

こうした対策は、ペットだけでなく人間においても重要です。
特に、「災害時に素早く動くことが難しい家族」がいる場合には重要度が増します。



■ペットを連れて避難しない準備


ペットの防災でもうひとつ気になるのは「避難」ではないでしょうか。

大地震による津波や火災、台風や大雨による浸水害などが発生し、自宅に留まると命にかかわる状況である場合は躊躇無く逃げる必要があります。
この場合には最寄りの「避難場所」へ移動しますが、屋外の場合もありますので、ペットのリードやハーネス、ケージを普段から準備することが重要です。

一方、大地震や水害の影響で自宅が被害を受け、生活をすることが困難になった場合は一時的に「避難所」へ身を寄せることになります。
この際、国(環境省)のガイドラインでは、ペットを連れて避難所へ移動する「同行避難」が原則となっていますが、避難所へたどり着いた後にペットと一緒に生活をする「同伴避難」が出来るかは、避難所によります。

避難所に十分なスペースがあり、また避難所を運営する方々がペットに対して好意的であれば、
ペットと同伴できる空間などを準備することもあります。
一方で避難者が多くスペースがなかったり、人間を優先しなければならない状況の場合、ペットは屋外につないだりケージを積んだりという扱いになる可能性が高くなります。

家族に乳幼児や介護者がいる場合も避難所生活は苦労を伴いますが、これはペットにも同じことが言えます。
避難所へ移動するのは最後の手段とし、まずは「沈んだり崩れたりしない場所に住む」ことを行ったり、知人・親戚宅への避難、自分でホテルなどを手配する避難など、避難所に行かない選択肢を検討することが重要なのです。

 

次回もペット防災のお話を続けます。

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