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防災の噂:地震火災を防ぐ!「感震ブレーカー」の選び方と注意点・詳細編

[fa icon="calendar"] 2024/04/02 10:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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前回のコラムでは大地震による最悪の二次災害「地震火災」を防止する防災用品、「感震ブレーカー」の紹介をいたしました。

今回はこの感震ブレーカー選びに関する注意点についてお話をします。

 

■感震ブレーカーを「全体」「部分」どちらに設置するか

地震の揺れを検知した際、建物の配電盤にあるブレーカーを自動的にOFFにしてくれる感震ブレーカー。地震による電気火災を防止するための、切り札的な防災用品です。ところが、家庭や職場の状況によっては、建物内で「停電」が生じることが望ましくない、または命にかかわるという場合もあるため、感震ブレーカー設置前にはよく考える必要もあります。

感震ブレーカーは、おおむね震度5弱~5強程度の揺れで動作します。しかし、この程度の揺れで大きな被害が生じることは稀で、むしろ「強制的な停電」による弊害の方が問題となる場合もあります。例えば在宅用医療器具を使用していたり、エアコンの再起動が難しい家族やペットがいる状態で留守番をさせていたり、あるいはデスクトップPCやNASを無停電電源装置無しで使用していたりする場合は、停電が望ましくありません。

一方、電気火災の原因は「家電」だけではなく、延長コードやコンセントプラグ、また壁の中の配線による出火もあります。こうした箇所からの火災を防ぐためには、電力を強制的に遮断することが望ましいのですが、前述の通りデメリットもあります。停電させたくない家電がある場合は、特定の対象物だけ強制的に電力を遮断できる、「部分」タイプの感震ブレーカーを使用するとよいでしょう。


■地震の揺れで「即時」遮断させるか「遅延」遮断させるか

感震ブレーカーには、「地震の揺れで即時にブレーカーを遮断」するものと、「地震の揺れを検知した数分後にブレーカーを遮断」するものがあります。後者を「遅延遮断機能」付きのものと呼びますが、建物「全体」を遮断するタイプの感震ブレーカーを使用する場合は、この機能の有無が重要なポイントになります。

感震ブレーカーにより建物のブレーカーが落ちると、室内への電力供給が止まります。火災の原因を元から防ぐためには望ましい状態ですが、例えば部屋の照明器具なども消灯してしまいます。地震が日中であればさほど問題にはなりませんが、地震が夜間だったり、自分が窓のない部屋にいたりした場合は、突然明かりを失い危険です。

安全行動を取ったり、素早く避難を行ったりすることができなくなるため、停電時に自動点灯する「停電時自動点灯ライト」を室内に取りつけておくか、揺れてから数分後にブレーカーを落とす「遅延遮断機能」のついている感震ブレーカーを使用するなどの対応が必要です。建物全体を遮断する機器を使う際には、この機能がある機種を選ぶと安心です。

参考:停電時自動点灯ライトのコラム


 ■配電盤に取りつけるかコンセントに取りつけるか

感震ブレーカーは、配電盤取りつけタイプのものと、コンセント取りつけタイプのものがあります。
配電盤に設置するものは、電気会社に依頼してブレーカーごと交換するタイプのものや、スイッチ部分に後付けするものなどがあります。設置しても生活の邪魔にならないメリットはありますが、設置方法・手順をきちんと確認することが重要です。

コンセント取りつけタイプのものは2種類あります。

ひとつは「アース線」のついているコンセントに設置し、擬似的な漏電信号を発信してブレーカーを落とす製品です。配電盤に触らず設置ができるのに、建物全体の電力を遮断できるため、利便性が高くおすすめです。アース線対応のコンセントがない場合は使用することができないため注意してください。

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写真:アース線コンセント設置タイプ「震太郎」(全体遮断・3分遅延)



もうひとつは、感震ブレーカーに挿した家電のみ、電力を遮断するタイプの製品です。
特定の家電や分岐タップだけ電力を遮断するというシンプルさ、どこにでも設置できる簡便さがあるため、手軽に感震ブレーカーを使用したい場合におすすめです。

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写真:このコンセント経由の電力のみを遮断するタイプ「感震コンセント」(部分遮断・即時)

 


正しく使用すれば「地震火災」の原因を根本からなくせる感震ブレーカー、どのようなタイプのものを設置するかぜひご検討ください。

 

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