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自腹で検証!防災の噂 vol.13 ライフライン停止に役立つ「カセットガス」の活用(前編)

[fa icon="calendar"] 2021/05/18 10:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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 ちまたに溢れる防災トリビアや防災グッズの噂、それホント?という様々な情報を実験するシリーズ「自腹で検証!防災の噂」、今回のテーマは、「カセットガス」の紹介をいたします。

■ライフラインの停止に有効な「カセットガス」

大地震の発生、台風による洪水、記録的な雪害などが発生すると、しばしば電気・ガス・水道などのライフラインが停止します。飲料水などはペットボトル水などで備蓄をすることができますが、エネルギーの備蓄はなかなか大変です。そんな中、「カセットガスボンベ」は、比較的安価かつ簡易に備蓄ができるエネルギー源として重宝する存在です。
カセットガスの缶には、家庭や飲食店でよく利用する「カセットボンベ(CB缶)」と、アウトドアなどで利用される「OD缶」の2種類があります。OD缶は購入できる店舗が限られる他、比較的高価なため、防災用に備蓄をする場合には、いわゆる“普通”の「カセットガスボンベ(CB缶)」を使うことになります。



■カセットガス器具の種類と特徴

カセットガスボンベを使うことができる器具には、どのようなものがあるのでしょうか。カセットガス器具でまず思い浮かぶのは、カセットコンロだと思います。停電・停ガス時にカセットコンロを使うことができれば、レトルト食品や缶詰を湯煎して食べたり、お湯を沸かしてお茶を入れたり、あるいは体を拭くためのお湯を作ったり、あるいは水道が出ていればほぼいつもと同じ炊事ができるようになり、大変便利です。

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カセットガスコンロは、ボンベ1本でおおよそ60分程度燃焼できます。非常時の利用を考えた場合、1~2名につき1日1本程度のガスがあれば十分な量となります。カセットガスコンロがあるだけで、停電・停ガス時の生活が大きく改善されます。温かい食事は冬場だけでなく夏場にも有効ですし、とくに夏場の食中毒を回避するためには食材に火を通すことが重要です。ライフライン停止対策として、ぜひ準備いただきたいのが、カセットガスコンロ+ボンベの組み合わせとなります。

カセットコンロには色々な種類のものがありますが、こちらはカセットたこ焼き器です(※電気タイプのものより火力が圧倒的に強くてオススメです)。普段カセットコンロを使うことはないが、カセットたこ焼き器、あるいはカセット焼き肉器などであれば、アウトドア用途でつかうかもしれない、ということであればこうしたものを準備し、普段はレジャー用途で用い、非常時にはカセットコンロの代わりに使うという方法もあります。


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こちらはカセットガスストーブです。停電時に使える暖房としては、石油ストーブが火力の面で有利ですが、日頃灯油を使っていない場合の燃料備蓄が難しいため、防災用に準備するのであればカセットガスタイプのストーブがオススメです。火を付けた瞬間に暖かくなるため、平時のスポット暖房としても優れております。目安としてはボンベ1本で2~3時間程度の利用ができます。


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■カセットガスの互換性について

ところで、カセットコンロをはじめとするガス器具には、「かならず当社指定のボンベをお使いください」などの記述がありますが、他社のボンベは使うことができないのでしょうか。結論から言えば、自己責任で利用することは可能です。カセットガスボンベはJIS規格でサイズなどが定められているため、基本的にはどのメーカーの物でも利用ができます。ただし事故が発生した場合の責任などが取れなくなるため、メーカーとしては非推奨と記載をしているのです

ライフライン停止対策としてぜひ準備をしたいカセットガス器具、後編では備蓄に関するポイントをご紹介いたします。



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