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観光DXとは?観光庁の取り組みや推進するメリット・具体的事例を解説

[fa icon="calendar"] 2024/03/26 10:00:00 / by ビーティスブログ編集部

ビーティスブログ編集部


 観光

 

観光DXとは、デジタル技術を活用して観光価値の向上を目指す取り組みです。観光客の利便性を高め、観光資源をより魅力的な観光コンテンツにすることを目指します。

本記事では観光DXの概要や推進するメリット・課題を解説するとともに、具体的な取り組み事例を紹介します。

 

 


 

【目次】

 観光DXとは?

 観光DXを推進するメリット

 観光DXの課題

 観光DXの具体的事例

 観光DXに活用できるシステム・ツール 

 まとめ

 


 

観光DXとは?

観光DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して観光サービスの質を向上する取り組みのことです。デジタル化によって業務の効率化を図るだけでなく、観光価値の向上も目指しています。

観光DXは観光庁が先陣を切って推進しており、2021年から実証事業が行われています。

ここでは、観光DXの概要や推進されている理由をみていきましょう。


観光庁の取り組み


観光庁は、旅行者の利便性向上や観光産業における生産性向上に向けて、観光DXに取り組んでいます。

旅という非日常体験の魅力をデジタルの力で高め、地域活性化にもつなげることが目的です。観光DXを推進するため2021年度から実証事業に取り組んでおり、2023年度はこれまでの成果に加えて、旅行者の利便性向上・周遊促進や観光産業の生産性向上などの観点から先進事例の創出に取り組んでいます。


観光DXが推進される理由


デジタル技術の急速な進化により、観光業界に限らずさまざまな業界でDXが推進されています。

DXとは単に業務をIT化・デジタル化するということではなく、IT・デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、自社の競争力を高めていくことです。

経済産業省は、多くの日本企業が既存の老朽化システムを抱えている現状を指摘しており、早急にDXを推進しなければ日本は将来的に大きな経済的損失を生むと予測しています。

他の業界と同じく観光業界もDXの推進による新たなビジネスモデルの策定を行う動きが進められており、新型コロナ感染症の感染拡大がその進行を加速させました。

加えて、インターネットやSNSの普及で観光客の消費行動に大きな変化が出てきたことも、観光DXが推進されている理由のひとつです。観光客はインターネットやSNSで旅行に関する情報を集め、予約やチケットの手配もオンラインで行うのが一般的になっています。

また、地域活性化への期待も観光DXが推進される理由です。SNSやWebサイトで地域の魅力を伝え、プロモーションを行うなど、観光客の誘致に活用されています。


 

観光DXを推進するメリット

観光DXを推進することで、次のようなメリットが期待できます。

  • 観光客の利便性を高める
  • 新たな顧客体験を提供できる
  • 業務効率化でサービスの質が高まる
  • 人為的なミスやトラブルを削減できる

詳しい内容を解説します。



新たな顧客大変を提供できる


観光DXでは、オンラインツアーという従来にない新しい顧客体験を提供できます。Web会議システムを利用し、自宅など好きな場所からオンラインで参加できるツアーです。

参加者は現地からのライブ配信やコンテンツの視聴により、自宅にいながら臨場感のある観光体験ができます。身体的・経済的な負担が少ないため参加しやすく、通常は入れないような場所も観光できるなど、オンラインならではの楽しみ方が可能です。

新たな顧客体験の提供により、参加した観光客は観光地に魅力を感じ、実際に訪問する計画を立てるなどの効果も期待できます。


業務効率化でサービスの質が高まる

観光DXは、企業側の業務を効率化できるのもメリットです。これまで人が行っていた業務の自動化・効率化により、従業員は人による対応が必要な業務に集中できます。

余裕をもってより丁寧な仕事ができるようになり、サービスの質も向上するでしょう。観光客の満足度が上がることで評判も良くなり、さらなる観光誘致につながります。


人為的なミスやトラブルを削減できる

観光DXで業務を自動化することにより、入力ミスや手配ミスといった人為的なミス・トラブルを減らせます。宿泊予約やチケットの手配などを人が行う場合、ミスをすると大きなトラブルになる可能性があります。特に繁忙期はミスが起こりやすく、観光客に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

予約や決済はオンラインで完結し、チケットやクーポンなどはデータ管理にすることで、紙のチケットの紛失リスクや予約漏れといったトラブルを回避できます。

 

 

 

観光DXの課題

観光DXには、解決しなければならない課題もあります。DXの推進には専門知識を持つ人材が必要ですが、その確保は容易ではありません。また、顧客データを扱うために厳重なセキュリティ対策が必要です。

ここでは、観光DXの課題についてみていきましょう。



専門知識を持つ人材の確保

デジタル技術を扱う観光DXでは、専門知識・スキルを持つ人材が不可欠です。しかし、観光業界はもともと離職率が高く、人材不足が深刻化しています。

専門スキルを持つ人材を新たに雇用することは難しく、社内の人材を育成する方が効率的ともいわれている状況です。そのため、人材育成を行う教育体制の整備も急がれています。

 

セキュリティ対策

観光DXでは、セキュリティ対策も重要な課題です。大量の顧客データを扱うため、適切な情報管理が求められます。管理するデータには不正アクセスやハッキングなどさまざまなリスクが存在しており、万が一個人情報の漏えいが起きた場合の損害は甚大です。信用も失われるでしょう。

セキュリティ対策には、ウイルス対策ソフトの導入やパスワードの設定・管理、暗号化などがあげられます。対策とともに、従業員のセキュリティ教育も必要です。一人ひとりのセキュリティ意識を高めて、個人情報を適切に扱えるようにしなければなりません。

 

 

観光DXの具体的事例

観光地では、主に自治体が主導になって観光DXが推進されています。ここでは、実際に進められている観光DXの事例を紹介します。

周遊性の向上を目指す【箱根町】

神奈川県の箱根は年間2,000万人もの観光客が来訪する日本でも有数の温泉地ですが、交通渋滞や公共交通の混雑、飲食店での行列など、休祭日を中心とした渋滞・混雑という課題を抱えています。

このような課題を解決するため、箱根町では民間企業とともに「箱根温泉DX推進コンソーシアム」を形成し、施策を実施しています。そのひとつが、「箱根観光デジタルマップ」の構築です。

「箱根観光デジタルマップ」は、観光客を空いている時間帯・時期・場所への誘導・分散化を図り、交通や店舗の混雑状況を可視化して周遊性の向上を目指すシステムです。

デジタルマップでは飲食店や日帰り温浴施設など観光施設のお得なクーポンも提供するなど、箱根により長く滞在・満喫するためのサービスを行っています。

 

ロイヤルゲストを把握・育成【三重県】

三重県は、伊勢神宮や伊勢志摩エリアの美景・温泉など豊富な観光資源を持ちながら、観光に関するデータを有効活用できず、観光客の動向把握や再来訪に向けた施策を十分にできていないという課題がありました。

観光DXの取り組みでは、地域に特別な愛着を持つロイヤルゲストを把握・育成するためのプロジェクトが進められています。宿泊施設や各種アクティビティなどに関するデータを一元管理し、データに基づく施策を行うというプロジェクトです。

ロイヤルゲストとは、地域に特別な愛着を持ち、価値あるものに適正な対価を支払い、満足度に応じて長期の滞在・リピート訪問をしてくれる観光客のことです。

三重県ではデータの一元管理で個々の観光客が求める情報やコンテンツを発信し、滞在期間の満足度を高めることでロイヤルゲストを育成したいと考えています。

 

広域連携型販売システムの構築・販売【山形県】

山形県の天童・米沢・銀山の3エリアは、単一エリアで事業者それぞれの商品販売(宿泊・体験・ツアー)を行っており、地域や事業者を横断したデータ活用や、商品をまとめて販売するという仕組みがありませんでした。そのため、観光客の周遊や長期滞在の促進が難しいという課題を抱えています。

そこで、地域全体の稼働率と稼ぐ力の最大化を目指し、宿泊・体験・ツアーの観光コンテンツを複数エリアで同時に予約ができる「広域連携型販売システム」の構築・販売を行うことになりました。

国際標準のデータフォーマット「HTNG」を活用し、連携エリア内における宿泊施設データの統合が図れるシステムです。エリア内の現状や観光客の動線をリアルタイムに把握・分析することで、より効果的なマーケティング施策の立案ができます。

 

情報発信や予約システムのDX化【しまなみ海道】

広島県尾道市と愛媛県今治市をつなぐ「しまなみ海道」は、サイクリングを核とした観光地づくりが行われ、両市や周辺地域の観光振興に大きな役割を担っています。しかし、事業者間の連携が十分ではなく、来訪者情報や行動履歴等のデータを明確に把握できていないという事情があります。

また、レンタサイクル予約受付業務が紙媒体・現金決済で、デジタル化・キャッシュレス化が進んでいないという課題もありました。

観光客の行動については、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」という段階ごとのアプローチがあります。しまなみ海道では、課題を解決するため、観光地づくりとして「サイクルツーリズム」を中心に位置付け、レンタサイクル利用者に対する旅マエから旅ナカにおける情報発信や予約システムのDX化を推進しています。

さらに、デジタル決済を導入して観光客の利便性を向上させ、観光消費の拡大を目指す取り組みが行われている状況です。

 

観光DXに活用できるシステム・ツール

観光DXの推進には、デジタル技術のシステム・ツールが欠かせません。特に活躍するのがデジタルサイネージやリモート接客システムです。

これらシステム・ツールの特徴や活用方法について解説します。

デジタルサイネージ

観光DXの推進に広く活用されているのが、デジタルサイネージです。ディスプレイに観光情報を配信することで、観光客の利便性促進に役立ちます。

活用の一例をみてみましょう。

静岡県の西伊豆町は、観光⼈⼝の減少という課題はありました。その解決策として活用したのが、デジタルサイネージです。

町内を訪れた観光客に向けてデジタルサイネージを各所に設置し、西伊豆情報をリアルタイムに配信するという観光DXを実施しました。西伊豆町観光協会のWebサイトから情報取得したものを、デジタルサイネージに配信するという方法です。

各エリアのデジタルサイネージでは、遊覧船運行情報や天候・日没時間、潮位などの情報がすぐに確認でき、観光客の利便性を高めているということです。


観光DXに役立つクラウド型デジタルサイネージ

特に観光DXでおすすめなのが、クラウド型デジタルサイネージ配信システム「PICLES(ピクルス)」です。遠隔・複数設置のデジタルサイネージをオフィスで一括管理できるため、観光スポット各地に設置したデジタルサイネージをひとつのパソコンで操作できます。

画像や動画、音声、Webサイトなど配信できるコンテンツの種類が多く、観光客の目を惹くコンテンツの作成ができます。操作も簡単で、パソコンに慣れていない方でも扱えるのがメリットです。

クラウド型コンテンツ配信システム「PICLES(ピクルス)」

 

リモート接客システム

遠隔操作で接客ができるリモート接客システムも観光DXに役立ちます。各地の観光案内所は観光情報の提供や交通案内など、観光客の利便性を図るために重要な役割を担っています。しかし、人手不足や運営コストの問題で、無人化のニーズが高まっていました。

このような課題を持つ観光地が多いなか、観光案内所を無人化して業務効率化・人材配置の最適化を図れるのがリモート接客システムです。

リモート接客システムはスタッフが待ち構える有人対応よりも観光客にとって心理的ハードルが低く、気軽に立ち寄れることがメリットです。利用者が増えることで案内所に設置しているパンフレット等の持ち帰り数も増え、観光地の魅力をより多くの人に知ってもらえます。

リモート接客システムはタブレットやチャットボットでの案内、AIでの応対など、形態はさまざまです。しかし、人による接客と同じサービスを提供できないという課題があります。

そのような課題を解決できるのが、リモート接客システム「AttendStation®」です。アバターを介したリモート接客のため、「人による接客」を維持したまま観光案内業務の無人化を実現できます。

アバターは、設置場所や利用シーン、コンセプトに合わせて選べます。また、自動キャスティングにより、多言語に対応できるオペレータへ接続することも可能です。



 

まとめ

観光DXは観光客の利便性を図るとともに、観光価値を高め、観光業界が抱える課題を解決すための取り組みです。観光庁の主導のもとに実証事業が行われており、各地で観光DXが推進されています。

観光DXの促進に欠かせないのが、デジタルサイネージやリモート接客システムといったツールです。観光客への情報を提供し、周遊性を高めることができます。これらツール・システムを活用しながら、観光DXの取り組みを進めていきましょう。



関連記事:デジタルサイネージ:地域観光の活用事例

 

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リモート接客についてまとめています。

こちらの記事もぜひご覧ください。

リモート接客とは?概要や導入されている事例を紹介

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Topics: 自己啓発, デジタルサイネージ

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