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防災の噂:期限切れのペットボトル水は飲めるのか?

[fa icon="calendar"] 2024/02/29 10:23:38 / by 高荷 智也

高荷 智也


備蓄水  

防災において重要な「水」の備蓄ですが、家庭においても職場においても、賞味期限を切らせてしまうことがよくあります。防災リュックや倉庫の奥から発掘された期限切れのペットボトル水…、これは捨てるしかないのでしょうか。今回は「期限切れペットボトル水」のお話です。

 

 

■ペットボトル水の賞味期限とは何か

ペットボトル水には賞味期限が設定されていますが、これは「品質保持」の期限ではありません。ペットボトル水の賞味期限は「飲めなくなる期限」ではなく、「内容量の維持期限」であり、未開封であれば期限切れのペットボトル水も飲むことができるのです。

頑丈に見えるペットボトルですが、実は少しずつ中身が蒸発しており、少しずつ減っていきます。時間が経過すると、商品に記載されている「内容量」を「現在の水量」が下回ってしまい、この状態では法律違反となるため販売ができなくなります。

この、少しずつ蒸発して減ってしまう水の量を考慮した、内容量を維持できる期限がペットボトル水の賞味期限となっています。実際に写真をご覧頂くと一目瞭然ですが、期限が超過した水は「内容量」以下になっており、また大気圧の関係でボトルがへこみます。

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    写真:新品・期限半年切れ・期限6年切れペットボトル水の比較(著者撮影)



長期備蓄のペットボトルは何なのか

では、賞味期限の短いペットボトル水と、長いペットボトル水は何が違うのでしょうか。中身はいずれも加熱殺菌されたミネラルウォーターであり、防腐剤などは入っていません。賞味期限の長いペットボトル水は、ボトルやキャップが分厚くなっていたり、シュリンク包装されていたりして、水の蒸発を防ぐ構造になっています。

蒸発する量が少なければ、長期保存をしても水量が減らないため、内容量を維持することができます。期限の長短にかかわらず中身は同じですが、より「減りにくい」構造になっているのが、長期備蓄タイプのペットボトルなのです。




水は腐らないのか

ということで、賞味期限を超過したペットボトル水も、未開封であれば飲むことができます。しかしなんとなく不安になるのも事実、数ヶ月程度ならともかく、数年以上の期限を超過したペットボトル水は、腐っていないかなど不安になりますね。

結論から言えば、ペットボトル水そのものが「腐る」ことはなく、1億年前の水でも飲むことができます。ミネラルウォーターは「水(H2O)」と「ミネラル」で構成されていますが、いずれも無機質であり「腐敗」するということはありません。

水が腐るという現象は、水に混入した「有機物」が「微生物」に分解される状態を指すため、ペットボトルの中に有機物と微生物が侵入しない限り、物理的に腐敗という現象が生じないためです。未開封であれば、これらが侵入することはないため、腐らないと言えます。

ただ、理屈は分かっても期限切れのペットボトル水を飲むことに抵抗があるならば、加熱して沸騰させてから飲んだり、非常用浄水器でろ過してから飲むと安心です。また、手洗いやトイレの水に使用するなど、雑用水にしてもよいでしょう。

 

次回のコラムでは、飲料物の賞味期限と保管についてすこし深掘りをします。




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