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いまさら聞けない!防災のキホン vol.2 地震大国日本を生きる(後編) ~地震の定義と言葉の理解~

[fa icon="calendar"] 2020/11/25 12:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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 今回のコラムは「いまさら聞けない!防災のキホン」シリーズとして、大地震に関するリテラシーを高めていただくための知識、後編についてお話をいたします。(前編はこちらから

 

■マグニチュードと震度

 日本のどこかで地震が発生しますと、「地震速報」がテレビやインターネットを通じて発表されます。この地震速報には「震度」と「マグニチュード」という2つの数字が記載されているのですが、この違いをご存じでしょうか。

「マグニチュード(M)」は、地震そのものの大きさを示した数字で、発生した地震に対して11で設定される値です。一方「震度」は、ある場所の揺れの大きさを表した数字で、観測地点の数だけ異なる数字が示されることになります。具体例を紹介すると次のようになります。

地震大国日本

地震大国日本


 いずれも過去に発生した大地震ですが、マグニチュードはひとつだけ、震度は「最大震度」とあわせて、各地の震度がそれぞれ表示されています。震度は無数に計測されますので、昔の地震よりは震度計が多い現在の地震の方が多く示されますし、またマグニチュードが大きな地震は広い範囲を揺らしますので、やはり示される震度の数は多くなります。

 

■震度について

 震度は国によって定義が異なります。日本の場合は「気象庁震度階級」という定義が使われておりまして、震度0~7の10段階で表示されます。震度5は「5弱・5強」、震度6は「6弱・6強」に分割されていますので、10段階ということです。
 震度の上限値は「7」ですので、どれほど強烈な地震が発生しても「7」となります。定義はありませんが、仮に「震度100相当の破滅的な揺れ方」をした場合も、「普通に震度7」の揺れだった場合も、震度は7です。ということで、どこかで震度7の大地震が発生したというニュースを耳にした場合、どれだけ大きな被害になるか分からない大惨事になるかもしれない、という認識が必要です。
 また震度7が青天井となりますので、様々な地震対策を講じたり、BCPなどでリスクの想定をしたりする場合、設定する地震の震度は「6強」にすることが自然です。これを「7」にすると、無限に大きな揺れへの対策が必要となるためです。防災マニュアルやBCPを策定する際の設定値として、ぜひ覚えておいてください。

 

■マグニチュードについて

 マグニチュード(M)は、基本的に世界共通の値となります。厳密には異なる計算式などが用いられますが、おおよそは同じになるという考え方です。数字の表し方は「M6.1」「M7.3」「M9.0」のように、小数第一位までの数字で示します。
 マグニチュードは震度と異なり、物理的な上限値がありません。地震の規模に応じていくらでも大きくなります。ただ、マグニチュード100の地震となると、恐らく地球が粉々になるような被害となりますので、理論上の最大値はおおよそ「M10.0」辺りになります。
 観測史上の最大値は1960年のチリ地震で観測された「M9.5」、日本での最大値は2011年の東日本大震災で観測された「M9.0」です。なおマグニチュードの値は、1大きくなるとエネルギーの大きさがおおよそ30倍になり、2大きくなると1,000倍になります。
 2018年の大阪府北部地震は「M6.1」、同じ関西で生じた1995年の阪神淡路大震災は「M7.3」と、マグニチュードは1しか変わりませんが、地震のエネルギーで言えば30倍も異なるということになります。

 

地震大国日本

 また東日本大震災は「M9.0」と、阪神淡路大震災とマグニチュードは約2しか変わりませんが、エネルギーの大きさで言えば1,000倍も大きな地震であったということになります。このような大地震が海底で生じると、甚大な津波の被害をもたらすことになります。マグニチュードは少数点がわずかに変わっただけで、被害の様相が大きく異なるのです。

 

地震大国日本



■防災対策の意義

 現在の科学では、地震を消滅させたり小さくしたりすることはできませんので、地震の「マグニチュード」を減らすことはできません。しかし地震の「震度は」同じ場所であっても土地や建物の条件、事前対策で小さくすることが可能です。
 地盤が弱い場所よりも固い場所にある建物の方が震度は小さくなりますし、同じ場所にある建物でも免震装置などを組み込んでおけば、その建物の中だけは揺れを小さくすることができます。また高層ビルでは上層階ほど激しく揺れますが、地上に近い階は揺れが小さくなる、といった具合です。
 また同じ震度の揺れに襲われたとしても、室内の安全対策をきちんと実施することで、被害を減らすことができます。防災対策の意義は、自然現象を自然災害にしないことです。必ず生じる大地震に対して、ぜひ「頑丈な建物」「万全な室内対策」を講じて、被害を減らすための対策を行ってください。



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