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POPなマーケティング ~その10~

[fa icon="calendar"] 2022/11/28 12:01:08 / by 沼澤 拓也

沼澤 拓也


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◆POPを活用した実証実験~その10~◆

 価格が高いと需要は減少します。そのため、価格を下げて需要を高めようとする店舗(企業)が多く、低価格競争を誘発しデフレに陥る市場経済となります。
 価格を上げても需要を高めることができれば、店舗経営は安定します。
それだけではなく日本の市場経済も〝良いインフレ〟が期待できたかもしれません。今となれば遅きに失した感があるように〝悪いインフレ〟になっています。
市場経済はさておき、前述した「価格を上げても需要が高まる」ようにすることは出来ないのでしょうか?

 結論は可能です!

 今回の12番目のメソッドがそれで、ヴェブレン効果といいます。今のSNSによる〝映える消費〟は、この効果によるものです。


 
  ポイントは、承認欲求を満たすための消費です。SNSに投稿される画像や動画などは、みせびらかせることで〝いいね〟という承認欲求を満たしています。

〝いいね〟欲しさに高い買い物をしたり、海外旅行に出かけたりするわけです。この場合、安い価格の商品や誰でも体験できるような近場の旅行では承認欲求が満たされないのです。

 逆に、高価格のものやコトのほうが需要は高まり、ヴェブレン効果が作用するのです。

 最近の傾向としてSNSを例に挙げましたが、以前から人間には〝人の影響を受けて消費〟することがわかっています。他人にどう見られているのか?そのための消費はこれまでも市場経済を動かしてきました。

 承認欲求は、他人から共感されたうれしさがあります。この欲求とほぼ同じ顕示的欲求も存在します。〝いいね〟という共感が得られなくても、満たされる欲求のことです。自分の幸せをみせびらかすだけでいいのです。
顕示的欲求の強い人に対して、マイナスの感情を抱くかもしれませんが、市場経済にとっては必要な欲求です。

 取り扱う商品やサービスによって違いますが、承認欲求や顕示的欲求が強い消費者は店舗にとって売上に貢献してくれるお客様です。

 ちなみに目利きができるできないとか、時と場合によってことなりますが、承認・顕示的欲求が強いより、値引きを求めるお客様からのクレーム率が高いようです。

 ヴェブレン効果の事例を2つご紹介します。



◎平均相場で売れなかった商品がバズった

 この話の主役は「干芋」です。

 生産したサツマイモを自社工場で乾燥させ加工している農家さんがあります。量販店にまずは少量を陳列してもらったそうです。干芋の平均相場1袋398円(当時)の価格設定で販売しました。結果は思わしくなく、通年での契約には至らなかったのです。
 
 しかし、スポットで売場に陳列はしてもらえることになりその間、戦略を練り直し、パッケージを変えるタイミングで価格設定を思い切って2倍にしたのです。この価格戦略が見事にバズり、販売個数は右肩上がりの結果となりました。
 量販店との契約もスポットから通年となり、加工場を増設するほど経営は順調に推移しています。 


 相場より高い商品を手に入れたという消費者の顕示的欲求が満たされるのです。



◎一番のものから需要が高まる

 お得なカニを求める消費者より、価格が高いカニを求めて来店する店舗があります。店主に対する信頼が絶大なのです。

 ヴェブレン効果を意図的に活用するのではなく、お客様との長年の信頼感が結果、ヴェブレン効果となっているのです。 

 来店されるお客様のほとんどが「一番良いカニを買いに来た」が第一声。あらかじめ店主や仕入れ業者と目利きしたカニにタグ付けし、お客様にスムーズな買物環境を提供しています。
 口コミで全国から訪れる消費者が多く、YouTuberやインフルエンサーのSNSで取り上げられる機会もあり、常連さんやセレブの方が店主目利きのNo.1が目的で来店されます。

 画像は、タグのようにPOPを背負わされたカニです。このカニから買われていくので「少し可哀そうな思いもあります」ということです。


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※景品表示法に「No.1表示」の規制があります。ご使用の場合は、リーガルチェックをおすすめします。



<メソッド12>
 顕示的欲求を満たす商品には、良いものを手に入れたという心理が働きます。これはリピート率や口コミにつながる機会を高めます。

 

 
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Topics: デジタルサイネージ

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