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POPなマーケティング ~その18~

[fa icon="calendar"] 2023/07/24 10:00:00 / by 沼澤 拓也

沼澤 拓也


POPブログ

 

◆POPを活用した実証実験~その18~◆

禁止や制限、制約されることで興味を喚起させられたことはありませんか?
ルールが設定されると少し逸脱したい気持ちがたかぶります。校則で決められていることや医者から止められていることなど、守らないでついやってしまうことがあります。

「禁止されると破りたくなる」という心理が人間にあり、これをビジネスで活用しているケースがあります。


 ☑けっして一人ではみないでください。
     ☑初めての方にはお売りできません。
     ☑○○の方はクリックしないでください。

行動経済学でも実証されている心理効果であり、消費者の反応や行動が、本来の意図とは逆方向になる現象のことです。これをカリギュラ効果といいます。
米国で上映が禁止された映画「カリギュラ」からこの効果名が付けられています。
日本の昔話にもカリギュラ効果が登場します。「鶴の恩返し」では、夜中に寝室を覗かないでと忠告したにもかかわらず、鶴の意図とは逆の結果を招いてしまったことは誰でも知っていることです。

カリギュラ効果のメカニズムを理解するためには、以下の要素が重要です。

自己決定欲求 : 人間は自己決定の権利を重視し、自由に選択することを望みます。自分自身の意思決定や行動に対する制約が加えられると、その自己決定欲求が刺激され、反発心理が生じる可能性があります。

制約の認識 : 制約を明確に認識することによって引き起こされます。制約が明確に提示されると、人間はその制約に対して自己の自由や選択が制限されると感じ、反発心理が生じます。

自己価値の確認 : 人間は自己のアイデンティティや価値観を大切にします。自己のアイデンティティや価値観に合わない制約が加えられると、その自己価値が脅かされたと感じ、反発心理が生じます。

人間が自由や選択の機会を制限されると、それに反発して自己の意思決定や行動の自由を回復しようとする心理的な現象です。これを活用したマーケティング戦略が顧客の関心や購買意欲を高める手段となります。

以下では、3つご紹介します。



<事例1:制限付き販売>

世界の某トップブランドが限定モデルを発売すると発表しました。しかし、その商品の入手は特定の店舗やオンラインでのみ可能であり、数量も非常に限られています。この制約が消費者に伝えられると、自己決定欲求が刺激され、限定商品を手に入れるために行動する欲求が生まれます。制約が明確に示され、自己の自由や選択が制限されると感じた消費者は、商品の希少性や独自性に魅了され、反発心理から購買意欲が高まります。


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 <事例2:販売終了の商品>

有名なスナック菓子の東日本エリアでの販売を終了することが発表されました。この制約が消費者に伝えられると、自己決定欲求や自己価値の確認といった要素が刺激され、終了を告げられた商品に対する欲求が高まりました。
今ではわざわざ買いに行く人や関西旅行のお土産物として人気です。消費者は、制約に反発して販売終了した商品を手に入れようとする傾向があります。



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 <事例3:規制による制約>

水産物の世界的な需要増加により、資源の保護のため規制されることがあります。消費者は小売店での販売や飲食店メニューの制約を認識し、この場合も自己の自由や選択が制限されると感じることから、反発心理が生じます。その結果、制約された水産物の関心や欲求が必要以上に高まります。


                  
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以上がカリギュラ効果のメカニズムを理解するための事例です。これらの事例から分かるように、禁止や制限、制約が存在すると、消費者は自己の意思決定や行動の自由を回復しようとする心理的な反応を示すことがあります。

<メソッド20>

最近の玉子不足などもカリギュラ効果の発生事案です。お一人様1パック限りと売場のPOP広告で表示されると2パック欲しさのために複数人で来店するなど、消費者は自己の意思決定の自由の回復をいろいろな行動で表現します。

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