Bitis ブログ

POPなマーケティング ~その19~

[fa icon="calendar"] 2023/09/06 10:00:00 / by 沼澤 拓也

沼澤 拓也


POPブログ

 

◆POPを活用した実証実験~その19~◆

いろいろな場面や場所で行列を見かけます。人によっては、行列に並ぶ意味が理解できないかもしれません。それは苦痛だと感じるからです。
しかし、行列に並んでいる人も苦痛は感じているのです。

例えば、ラーメン店の行列ですが、並ぶ時点から食べ終わる時点までが一連の商品・サービスになっています。最初の場面で並ぶという苦痛は感じているのです。

しかし、食べ終わった時点では最初の長時間並んだ苦痛のことはすでに忘れているのです。

 
なぜ忘れてしまうのかというと、ラーメンの美味しさや食した体験がピーク時(クライマックス)として印象付けられるからです。
実は人間はピーク時や終わりの印象の方が強く残るため、最初の方で感じた行列に並ぶという苦痛を忘れてしまうのです。

これをピークエンドの法則といいます。経験の満足度が体験のピーク時とエンド時の感情によって決まるとする行動経済学理論です。
この法則に基づいたマーケティング戦略を活用することで、顧客の満足度を高め、ブランドロイヤルティを向上させることができます。ピークエンドの法則を活用したマーケティング事例を3つご紹介します。



<事例1:店舗の快適なピーク体験の創出>

店舗のピーク体験とは、お客様が特に楽しい・感動的な瞬間を経験する瞬間を指します。
例えば、ある回転寿司屋がたった今入荷したマグロをマイクパフォーマンスで告知することがあります。さらに、そのマグロをステージ上で解体するところをお客様に魅せる演出によって体験価値を高めています。

また、エンド時には印象的なエンディングを提供することが重要です。例えば、解体したマグロの頭の部分と写真をとるなど、映えるコンテンツを提供することで、お客様はポジティブな感情をエンド時に持つことができます。
このように、店舗のピーク体験とエンド時の感情を重視することで、顧客の満足度が高まり、ブランドロイヤルティの向上につながります。


                  23609591




 <事例2:営業パーソンとして商談実施>

商談前に何か不手際があったり、あなたが遅刻した場合、ピーク時やエンド時が良ければ印象は好転します。つまり商談が成立する確率がアップします。
商談やプレゼンには鉄則があります。「悪い面は先に、良い面は後に」ということです。この鉄則は意図的に悪い面を活かすわけです。活かすためには順序が大切です。悪い面を隠したくなるのがプレゼン側の心理ですが、開示する方が商談にとってプラスになります。
商談やプレゼンは顧客のピーク体験を演出するとともに、エンド時の感情も考慮して計画されることが重要です。
ピーク体験では、顧客が特別な商品やサービスに触れ、ワクワク感や感動を味わうことができます。
そしてエンド時の感情については、計画的な順序によって顧客に満足感をもたらすことができます。

商談前の不手際はないことが望ましいですが、もしものことを考えピーク時とエンド時に提供する顧客価値は計画的に設定したいです。



22366810



 <事例3:結婚披露宴の構成>

エンターテイメントにとって、お客様を満足させるうえで重要なのがピークエンドの法則を活用することです。

身近な例として結婚披露宴の構成を振り返ってみましょう。新郎新婦の入場から始まり、祝辞やケーキ入刀、お色直し、さらにキャンドルサービス、余興と続きます。そして何といってもピーク時は花嫁の手紙です。ご両親だけではなく出席者も涙するクライマックスです。
次に両家代表の謝辞と新郎の挨拶、新郎新婦の退場といった構成になり、エンド時は、新郎新婦と両家による出席者のお見送りです。この時に新郎を胴上げしたり、写真撮影するなどおめでたい雰囲気で終了となります。
想像してみてください!構成の最初の方に花嫁の手紙がある結婚式を。そしてピーク時やエンド時に長い祝辞がプログラムされている結婚式を。ゾッとしませんか。笑。


                  
1206729
お客様の感情や満足度を重視し、ピーク体験とエンド時の感情をポジティブにする工夫を行うことが重要です。特別な体験を得ることで、ブランドへの愛着やロイヤルティが高まり、継続的な顧客関係の構築につながります。


ピークエンドの法則を理解し、顧客の体験を最適化することで、競争激化する市場で差別化を図ることができます。


<メソッド21>
ピーク時とエンド時にどのような顧客体験を提供するかを検討する意識が求められています。ユニークなピーク時とエンド時によって、顧客のロイヤリティは高まります。


==============================================================
メッセージボードとして電子ペーパーサイネージを活用してみませんか?
タブレットサイズのモニタとコンテンツ配信サービス『PICLES』で
効率よくメッセージ訴求をしましょう!

POP広告

お問い合わせはこちらから。

==============================================================

デジタルサイネージのブログを更新しています。
POP広告とデジタルサイネージを利用して新しい販促を行いませんか?

デジタルサイネージについては、こちらの記事もお読みください。

「デジタルサイネージとは 〜種類と役割について〜」

「デジタルサイネージ:ショッピングセンターの活用事例」

==============================================================

 

Topics: デジタルサイネージ

あわせて読みたい

沼澤 拓也

Written by 沼澤 拓也