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防災のキホン!「備蓄ご飯」の種類と活用のポイント(後編)

[fa icon="calendar"] 2023/01/24 11:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


非常食2  

前回のコラムでは「備蓄ご飯」の種類についてお話をいたしましたが、今回はこれをもう少し掘り下げた解説をいたします。

 

■そのまま食べられるご飯・食べられないご飯の違い

備蓄ご飯には「そのまま食べられる」ご飯と、「加熱しないと食べられない」ご飯があることを前回のコラムでお話いたしました。レトルトおかゆやベビーフードなどは、「調理済」のご飯がそのままパッケージに収められていますので、当然ながらそのまま食べることができますが、パックご飯・アルファ化米ご飯・フリーズドライご飯はどのような理屈なのでしょうか。
ご飯が食べられるかどうかは、「でんぷん」の状態により決まります。ご飯のでんぷんには、食べられる「αでんぷん」と食べられない「βでんぷん」の2種類が存在します。「お米」の状態は「β」でんぷんで、スズメなどは大喜びで食べますが、人間はβデンプンを消化できないため、生米のままでは食べることができません。
そこで、お米に水と熱を加えて「炊飯」をすると、食べられる状態の「α」でんぷんに変化します。これが「炊いた状態のご飯」です。しかしそのまま放置して、カピカピのカチカチ状態になると、再び食べられない「β」でんぷんに戻ってしまうのです。


■レトルトご飯とパックご飯について112_01

レトルト・瓶詰め・缶詰などのご飯は、炊飯して調理したご飯をそのまま詰めたものです。「α」デンプン状態のご飯をそのままパッキングしていますので、調理不要で食べることができます。もちろん温めた方が美味しいですが、常温でも問題はありません。
一方パックご飯は、水分も含んでおりレトルトご飯に似ていますが、こちらは「β」でんぷん状態でパックされているため、そのままでは食べることができません。パックご飯を電子レンジや湯煎で加熱すると、「α」でんぷんに戻るため食べることができるようになります。


■アルファ化米ご飯とフリーズドライご飯について112_02

炊飯して「α」でんぷんになったご飯を乾燥させたものが、アルファ化米ご飯とフリーズドライご飯ですが、具体的には高温で乾燥させるとアルファ化米に。冷凍&真空乾燥させるとフリーズドライご飯になります。いずれもα状態を維持しているため、そのままでも食べることができます。
ただ、アルファ化米はカチカチ状態になっているため、食べられますが食べづらい。フリーズドライご飯はポフポフ状態になっているため、そのままでも容易に食べることができます。共通しているのはいずれもα状態であるということです。


■「アルファ化米」と「アルファ米」について

ところで、アルファ化米の語源は言うまでもなく「α状態のご飯」ですが、アルファ化米には「アルファ化米」と「アルファ米」という2つの名称を見かけることがあります。これは一般名称と商標の違いです。
一般名称としては「アルファ化状態のご飯」ということで「アルファ化米」が使われます。一方「アルファ米」は日本で初めてアルファ化米を商品化した尾西食品の商標です。各種のメーカーからアルファ化米が発売されていますが、元祖が尾西だということですね。
ちなみに尾西のアルファ米は、太平洋戦争をきっかけに開発された備蓄ご飯なのですが、基本的な製法は当時も今も同じということです。伝統と最新技術をあわせもつアルファ化米ご飯、ぜひ防災に活用いただきたいと思います。

 

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