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防災のキホン!トルコ・シリア大地震から見直す地震対策の基本(後編)

[fa icon="calendar"] 2023/02/21 11:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


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2023年2月6日にトルコで発生したM7.8の大地震、トルコ・シリア両国に対して未曽有の被害をもたらす大震災となっています。
前回に引き続き、この大地震に関連したお話をいたします。
※この記事は、地震発生から6日後時点の情報を元に執筆しています。

 

■大地震による被害を減らすための対策とは

多くの死者が生じている今回のトルコ・シリア大地震ですが、このような震災が発生した後には、「わが家・わが社」などの防災対策を見直す気持ちが出てくるかと思います。また国レベルにおいても、こうした災害を振り返り、次の被害を減らすための対策に落とし込んでいくことは重要です。

今回の大地震では地震発生の当日から翌日中に、日本を含む世界各国からの救助隊が現地に入り、生き埋めとなった方々の救助活動に当たりました。また各種のNPO団体なども、震災直後から支援活動を行っています。では、これらの活動が、より早く・より大規模に行われるようになれば、大地震による被害を減らすことができるのでしょうか。

またこうした震災を受け、備蓄品を見直そうと考えられる方は多いと思いますし、行政などにおいても、避難所に備蓄されている物資の内容や量が適切であるかを確認するということは重要です。では、十分な数の水・食料・毛布、その他生活用品を自分自身で確保できれば、あるいは被災地に送り込めれば、被害を減らすことができるのでしょうか。
答えはいずれも否です。素早い救助活動や支援活動の展開は、もちろん重要な防災対策のひとつです。しかし優先順位を考えると、より重要な対策があります。それが「建物の耐震化」です。


■最重要な地震対策は「即死」を防ぐ準備

大地震による死者や被害を減らすための最重要対策は「建物の耐震化」です。トルコ・シリアによる大地震では、極めて多くの死者が生じていますが、死因の多くは建物倒壊に巻き込まれたことによる圧死・窒息死と想定されます。しかも亡くなられた方の多くは、恐らく「即死」であったと考えられるのです。

1995年に生じた阪神・淡路大震災でも、多くの方が建物倒壊や家具の転倒に巻きこまれて命を落とされましたが、これも死因の多くは圧死・窒息死であり、そして推定される死亡時刻は大地震発生直後、つまり即死されている方が多いのです。

こうした状況において、大地震直後から救助隊が現地に入ることができたら。あるいは大量の水・食料・毛布などを被災地に送り込むことができたら、死者を減らすことはできたのでしょうか。答えは難しいと言わざるを得ません。大地震で即死した多くの方に必要なのは、素早い救助でも支援物資でもなく、つぶれない建物であったからです。

素早い救助活動、手厚い支援活動、豊富な義援金は、あくまでも「地震で即死しななかった」方への対策であり、まずは即死者を減らさなければ、いつまで立っても地震による犠牲者は減りません。そのため、最重要な地震対策は「建物の耐震化」ということが言えるのです。


■いま考えるべき地震対策の方向性

国内外で生じる大地震被害を受けて、わが家の・わが社の地震対策を見直す。これは大変重要なことです。この場合にはまず「命を守る準備」が行えているかを確認してください。最優先事項は地震の揺れで即死しない準備、倒壊しない建物の中で室内の安全対策を行うことです。建物の耐震確認や家具の固定などを徹底してください。

さらに建物周辺のハザードマップを見て、津波・土砂災害、あるいは大規模な地震火災が生じる恐れのある地域である場合には、素早い避難の準備が必要です。避難場所の確認や素早く移動を開始するための防災リュックの用意を行います。なお建物や室内に被害が出ると避難行動にも支障が出ますので、やはり建物対策は重要であると言えます。

そして水・食料・日用品などの備蓄を行います。インフラが停止する状況への備えとなりますが、これらは生き延びた方にのみ必要な準備となりますので、重要ですが優先順位としては最後になります。被災生活における「災害関連死」を防ぐため、できるだけ自宅に留まる在宅避難の計画を立て、最低3日分・できれば7日分の生活物資を備蓄してください。

日本は地震の多い国であり、安全な場所はありません。いつでもどこにでも生じる大地震に備えて、「死なないための準備」ができているか、ぜひ見直しを行ってください。

 

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