Bitis ブログ

防災のキホン:災害の記憶と教訓を後世に残すために(前編)

[fa icon="calendar"] 2023/03/15 11:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


地震  

 先日、2023年2月6日にトルコで発生した大地震から1ヵ月が経過しました。死者はトルコ・シリア両国あわせて5万人以上、行方不明者は現時点で不明、テントによる被災生活を余儀なくされている方は地震発生から1ヵ月が経過しても100万人以上おり、経済的な被害総額も10兆円を超えているなど、歴史的な大震災の様相を見せています。


 現地における余震活動などは収まりつつあるということですが、今後は被災地の復興という長い期間に以降します。家族や自宅に被害がなかった方にとっては、災害発生前後で生活が大きく変わることはないかもしれませんが、家族や自宅を失った方にとっては、「災害の後」というこれまでとは異なる人生が始まることになります。

■周年行事を行う目的

 大規模な災害が発生した後、よく「○年目」という言葉で毎年区切りが伝えられます。例えば本年2023年の場合は、いわゆる「キリの良い年」という言い方をするならば、2018年の西日本豪雨から5年目、2011年の東日本大震災から干支ひとまわりとなる12年目、1923年の関東大震災から100年目、などがよく見られる「○年目」でしょうか。

 周年行事を行う目的は様々ですが、そのひとつは遺族のために実施する死者の慰霊です。死者の大小で災害の被害が決まるわけではありませんが、多くの犠牲者が出た災害では、多くの方が同時に家族や仲間を失っており、こうした方々の声なき総意により鎮魂のための追悼行事が行われることは自然なことと言えます。

 むろん、どのような式典を行おうとも、死者と再び会えることはありませんが、それでも残された家族や仲間に対する慰めのひとつとなるのであれば、その行事には意味があることだと思います。しかし、当然ながら災害を生き延びた方々も、いつかは寿命を迎えることになり、「遺族」の減少とともに、こうした追悼行事も次第に規模を小さくしたり、終了したりすることもあります。

 ところでこの、遺族の高齢化や記憶の風化という課題を乗り越えた災害がひとつあります。それが関東大震災です。

■追悼から始まり防災啓発へ変わった行事

 例えば本年で100年目を迎える「関東大震災」においても、当初は発生日である毎年9月1日に追悼行事が行われていました。しかし、震災から37年が経過した1960年に、9月1日を「防災の日」と定めることが決定され、それ以降関東大震災の追悼行事は、日本全体を対象とする「防災を見直す日」に切り替わったという経緯があります。

 死者10万人を超える被害を出した、日本の歴史上で最大規模の災害である関東大震災。発生から37年という期間は、残された遺族を慰め新しい人生を送ってもらえる年月として機能したのではないかと想像されます。こうした追悼行事が自然消滅せず、防災の日として新たな役目を与えられたことは、意義のあることではないでしょうか。

 なお、防災の日が9月1日である理由は、1923年の関東大震災の発生がこの日であることを受けてですが、防災の日が作られる直接的な契機となったのは、1959年に発生した伊勢湾台風による被害でした。死者約6千名という空前の被害をもたらしたこの台風を受けて、防災の日が翌年1960年に生まれたのです。

 ちなみに1959年の伊勢湾台風は、防災の日を生み出すきっかけになったのとあわせて、日本の防災政策の根幹となる災害対策基本法が制定されるきっかけにもなっています。大規模な災害を受け流さず、次は被害を減らすという意識の元で、様々な法律や記念日が整備されてきたことは、災害大国日本が誇る成果のひとつと言えるのではないでしょうか。

 次回のコラムでは、この「○周年」に関するお話をすこし深掘りします。

 

■■「事業継続計画を理解する3つのポイント」ご紹介■■■■■■■

「BCPってなに?」となるケースはまだ存在します。
具体的にBCPとはどのようなものか?
3つのポイントを使ってご説明いたします。

↓ダウンロードはこちらから
BCPとはなんだろう?「事業継続を理解する3つのポイント」

■■サイネージブログ■■■■■■■■■■■■■■■■

社内の情報共有の可視化はおこなっていますか?
情報共有に必要な方法をまとめています。

情報共有の可視化に必要な方法とは?便利な共有ツールも紹介

■■サイネージブログ■■■■■■■■■■■■■■■■

DX への取り組みを推進する施策の1つとして、
クラウド型コンテンツ配信サービス『PICLES(ピクルス)』を利用することで
デジタルサイネージでタイムリーに情報共有し、タイムリーに社員に情報配信が
できるようになりました事例をご紹介しております。

事例:株式会社コモ様

■■サイネージブログ■■■■■■■■■■■■■■■■

デジタルサイネージを社員のモチベーションアップとして
利用してみませんか。
第4話ブログ公開しましたので、ぜひお読みください!

第4話 デジタルサイネージの特徴とモチベーションアップ&生産性向上につながる理由とは?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

Topics: BCP情報

あわせて読みたい

高荷 智也

Written by 高荷 智也