デジタルサイネージをオフィスで活用した場合、業務に必要な情報から社内イベントの様子、リフレッシュするための動画など様々な情報を社員に共有することができます。
シリーズ第4話は、オフィスでのデジタルサイネージ活用例と利用する前に注意すべきポイントをご紹介します。
目次
デジタルサイネージでは社内の様々な情報が手軽に配信可能!
オフィスサイネージとは?
オフィスサイネージとは、デジタルサイネージをオフィスで活用することです。簡単にいえば、オフィス内の掲示板をデジタルサイネージを使ってデジタル化すると、オフィスサイネージを導入したことになります。
デジタルサイネージは掲示板とは異なり、画面自体が発光しているため、視認性が高く目立ちます。また、掲示板で新しい情報を伝えるときはそれぞれポスターなどを貼りかえる必要がありますが、デジタルサイネージなら大本のデータを変更するだけで一括処理が可能です。運用側・社員側の主なメリットについては、以下をご覧ください。
運用側のメリット |
社員側のメリット |
・情報更新、訂正が簡単 ・社員に情報を周知しやすい |
・情報の入手漏れが減る ・新しい情報を得やすい |
デジタルサイネージと紙媒体の違いとは?
デジタルサイネージと紙媒体の違いを、情報提供・情報更新・コスト・情報鮮度の4つの側面において比較しました。
デジタルサイネージ |
紙媒体 |
|
情報提供 |
サイネージ自体が発光しているため、周知力は高い。 |
掲示板に貼っても社員が見ない可能性がある。静止画のみ |
情報更新 |
一括で対応できる |
文書を印刷して社員に配布するか、印刷した文書を掲示板ごとに貼り替える必要がある |
コスト |
電気代、システム利用代がかかる。また、導入時にデジタルサイネージ本体の費用もかかる |
印刷代、用紙代がかかる |
情報鮮度 |
パソコンやスマホで入力するだけのため、鮮度は高い |
書類作成から印刷、配布・貼り替えに時間がかかるため、鮮度は落ちがち |
情報提供・情報更新・情報鮮度についてはデジタルサイネージが優れています。しかし、デジタルサイネージ本体の価格がかさむため、コストについては紙媒体のほうに軍配が上がります。
ただし、本体を購入するのは最初のみのため、長期間利用すればコストの差は縮小するかもしれません。費用対効果にも注目して、適切な媒体を選びましょう。
オフィスサイネージの仕組み
オフィスサイネージは、次の部分から成り立ちます
- ディスプレイ
- コントロール部
- デジタル通信部
- ストレージ
ディスプレイは画像や動画を表示する部分で、デジタルサイネージ以外にもタブレットなどのさまざまな装置を活用できます。コントロール部とは画像・動画の調整や作成をする部分で、パソコンやスマートフォンなどを活用します。
コントロール部で作成した情報をデジタル通信部で発信・受信し、ディスプレイに表示します。表示した情報をストレージに保存しておくと、後で再活用したり、情報を見直せたりするため便利です。
デジタル通信部とは情報を受け取る部分です。たとえば、ドングルレシーバーなどがデジタル通信部の装置として活用されます。
ストレージは、画像・動画の情報を保存する部分です。USBメモリやSDカードなどがストレージに相当します。
オフィスサイネージの仕組み
オフィスサイネージには、次の種類があります。
- スタンドアロン型
- ネットワーク型
- インタラクティブ型
スタンドアロン型とは、インターネットに接続せず、デジタルサイネージに直接USBメモリなどを挿入して情報を表示させるタイプです。一方、ネットワーク型とインタラクティブ型はインターネットに接続し、外部のコントロール部で作成した情報を表示させます。
なお、ネットワーク型は情報を表示するタイプ、インタラクティブ型は情報を表示するだけでなく、画面閲覧者側からも情報発信者にアクセスできるタイプです。インタラクティブ型は常に情報発信者が待機している必要があるため、オフィスではネットワーク型が使いやすいとされています。
オフィスでのデジタルサイネージの活用例と効果
デジタルサイネージを活用することで、スムーズに情報共有できることはもちろん、社員のモチベーションアップやコミュニケーションの活性化につながります。
では、オフィスではどのような活用方法や効果があるのかいくつかご紹介します。
・社内の最新情報や期限がある情報を優先的に共有する
・作業担当やスケジュールを表示し、可視化する
・企業理念やスローガンなどを繰り返し表示する
・社内イベントの様子や会社の取り組みを共有する
・昼休憩などにストレッチ動画や癒しのBGMを流す
・災害発生時に、警報や避難案内などを表示する
1つずつ詳しく見てみましょう。
社内の最新情報や期限がある情報を優先的に共有する
デジタルサイネージはポスターや掲示板などとは異なり、最新の情報を素早く共有することが可能なため、社内の最新情報を共有するのに最適です。
また、情報を繰り返し共有することも可能ですので、期限がある重要な情報を優先的に表示するのもおすすめです。
作業担当やスケジュールを表示し、可視化する
通常ExcelやPowerPointといった資料で作成されることが多い作業担当やスケジュールですが、関係者のみに共有されることが多く、チーム全体で把握することがしにくい場合もあります。
そこで作業担当やスケジュールをデジタルサイネージに表示させることで、チーム内の担当状況やスケジュールが可視化され、チーム全体で把握することができ、案件の引継ぎやタスク調整がスムーズに行えるメリットがあります。
またアルバイトやパートの従業員がおり、社用携帯や個人PCがない場合でのシフト表やお知らせ共有にも活用できます。
企業理念やスローガンなどを繰り返し表示する
企業理念やスローガンなど、個人のモチベーションアップ、会社やチームの目標を達成するために必要なものですが、業務に追われてしまうとついつい忘れてしまうこともあります。
そこで社内のお知らせの合間に企業理念やスローガンなどを表示させることで、普段から触れる機会を増やすことができ、浸透しやすくなります。
社内イベントの様子や会社の取り組みを共有する
業務に関連するお知らせだけではなく、社内イベントの様子や会社の取り組みなどを共有することもおすすめです。
社内の様子がわかるようになり社内の雰囲気向上につながったり、普段接することのない部署間やチーム間のコミュニケーションのきっかけにもなります。
昼休憩などにストレッチ動画や癒しのBGMを流す
普段デスクワークが多い方や、普段忙しくあまりゆっくり休憩が取れない方などがリフレッシュできるようにストレッチ動画や癒しのBGMを流すのもおすすめです。
BGMはオルゴールやクラシックなど歌詞がない曲を流すと社内の雰囲気アップにもつながります。
災害発生時に、警報や避難案内などを表示する
地震や津波など災害が突然発生した場合、いち早く社員に知らせる必要があります。また、災害の大きさによっては避難が必要になる場合があります。
そういった災害情報もデジタルサイネージを活用することで、素早く災害情報を共有したり、避難を促すことが可能です。
避難場所がわからない来客者向けに誘導する場合にも最適です。
オプションによってはLアラートや緊急地震速報と連携することも可能です。
参考記事:デジタルサイネージ:社内の災害対策情報共有における課題と電子ペーパーサイネージによる解決方法
オフィスサイネージの事例
オフィスにデジタルサイネージを導入し、情報共有や社員のモチベーションアップなどに活用している企業は少なくありません。実際にオフィスサイネージを導入した事例から、得られる効果や解決できる課題を探っていきましょう。
事業部ごとの活動を可視化:株式会社ワンスター様
株式会社ワンスター様では、社内向けの情報発信ツールとしてチャットサービスを利用していました。しかし、チャットでは発信した情報が他の話題で埋もれたり、会話していくうちに話題が変わったりする課題がありました。
そこでオフィスサイネージを導入したところ、社員への情報伝達がスムーズになっただけでなく、事業部間のコミュニケーションの活性化にもつながっています。従業員数の増加により、業務フロアがいくつか別れましたが、オフィスサイネージにより各事業部の動向が可視化され、以前にも増して事業部間のコミュニケーションが密になりました。
また、全社員に向けた期限カレンダーや入社者の紹介、各部署で活躍している人の紹介などにもオフィスサイネージを活用しています。社内で見知った人が増えて話しやすい環境になり、社員のエンゲージメントの向上にもつながっているようです。
事例詳細:『デジタルサイネージで、各事業部の活動を可視化!』株式会社ワンスター様事例紹介
オフィスサイネージと相性抜群!クラウド配信システムとは?
オフィスサイネージを導入するなら、クラウド配信システムの導入も検討してみましょう。クラウド配信システムとは、複数のサイネージを一括管理できる次世代型のシステムです。コンテンツ配信が簡便化し、よりオフィスサイネージを有効活用できます。
クラウド配信システムのPICLESは、扱いやすいインターフェースと機能性の高さが特徴です。お気軽にお問い合わせください。
社内の雰囲気アップ:株式会社コモ様
株式会社コモ様では、グループウェアと通路に設置した掲示板を通して社内情報を共有していました。しかし、グループウェアは閲覧できる人が限られていたため、必要に応じて口頭や書類配布によって情報を共有することが多かったようです。
そこでオフィスサイネージを導入したところ、新しい情報をスピーディに周知できるようになりました。また、情報変更などもこまめに周知できるため、従業員はどの情報が有効なのか理解しやすくなっています。
実際に情報の周知度が上がり、掲示情報に対する問い合わせも、掲示板を使っていたときより増加しました。また、従業員の共通の話題が増え、社員同士のコミュニケーションが円滑に進み、社内の雰囲気が明るくなったという効果も得られています。
事例詳細:『デジタルサイネージで社員向けにタイムリーな情報共有を実現』
株式会社コモ様
そのほかの事例については、次の記事をご覧ください。
デジタルサイネージを利用する前に注意すべきポイントとは
様々な活用方法があるデジタルサイネージですが、安易に導入してしまうとあまり効果が出なかったり、追加の費用が発生したり、運用の負担が増えたりと予想外のトラブルが発生する可能性があります。
ここでは、デジタルサイネージを利用する前に注意すべきポイントをご紹介します。
・設置場所は人通りが少ない場所、目立たない場所は避ける
・CMSはサイネージの設置場所、コンテンツの内容や更新頻度を確認してから選ぶ
・インターネット回線が利用できるか確認する
・コンテンツのネタをいくつか用意する
1つずつ詳しく見てみましょう。
設置場所は人通りが少ない場所、目立たない場所は避ける
デジタルサイネージは明るく見やすいため目立ちますが、人通りが少ない場所や目立たない場所に設置しても効果を発揮できません。
十分に効果を発揮させるためには、エレベーター前や入口付近、オフィス内、食堂といった人通りが多い場所もしくは、必ず社員が通る場所などに設置すると良いでしょう。
また棚や備品が多い場所や、角度によって物陰に隠れやすい場所でも見えにくくなってしまいますので、見通しが良い場所に設置することもポイントです。
床に設置が難しい場合は、壁に設置することでスペースを確保しつつ、視線を集めやすくなります。
CMSはサイネージの設置場所、コンテンツの内容や更新頻度を確認してから選ぶ
デジタルサイネージで情報共有するためには、CMS(コンテンツマネジメントシステム)が必要です。
CMSには様々な種類があり、USBやSDカードをでデジタルサイネージに差して配信するものから、インターネットに接続して配信するものもあります。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが違うため、サイネージの設置場所やコンテンツの内容、更新頻度を確認せずに導入してしまうと、運用負担がかかったり、追加で費用が必要になってしまう場合がありますので注意が必要です。
参考記事:デジタルサイネージ:スタンドアロン型サイネージとは
参考記事:デジタルサイネージ:ネットワーク型サイネージとは
インターネット回線が利用できるか確認する
こちらはネットワークを接続するCMSを利用する場合に注意するポイントですが、デジタルサイネージを設置する場所によって、ネットワークの固定回線を引いていないあるいは引けない場所があります。
また無線回線を利用する場合でも山岳地帯や都市部から離れている場所では電波が弱くなり、ネットワークがつながりにくい場所もあります。
ネットワークがつながらない場合、デジタルサイネージやCMSを用意しても正常に配信ができない場合がありますので、導入前にネットワークが利用できる場所か、ネットワークがつながりやすいか確認されることをおすすめします。
配信するコンテンツのネタを事前に用意する
業務に関連するお知らせや社内イベントの様子など、デジタルサイネージで共有できる情報は様々なものがありますが、毎日同じ情報を配信し続けると飽きられて見られなくなる場合がありますので、注意が必要です。
またコンテンツは普段の業務の合間に配信することが多いため、時間が取れずなかなかコンテンツのネタを作りにくいという場合もありますので、デジタルサイネージを導入する前にどのような情報を配信したらよいか、コンテンツのネタを事前に用意しておくことがポイントです。
参考記事:デジタルサイネージ:オフィスでの情報共有活用事例
オフィス以外のデジタルサイネージ活用例
オフィスサイネージを導入することで、社内での情報伝達が簡便化し、情報の周知度が上がるだけでなく、従業員のコミュニケーションが活発化するなどの効果を得られることがあります。
また、デジタルサイネージはオフィス以外でも活用可能です。たとえば、従業員同士のコミュニケーションだけでなく、顧客とのコミュニケーションや取引先とのコミュニケーションにも活用できます。オフィス以外におけるデジタルサイネージの活用例をいくつか紹介します。
工場
製造工場などでは、作業上の注意喚起や情報共有にデジタルサイネージを活用できます。ポスターでも注意喚起や情報共有は可能ですが、デジタルサイネージなら動画で繰り返し情報を流せるため、従業員の記憶に残りやすくなるでしょう。
また、納期の変更などの緊急性の高い情報の共有にも、デジタルサイネージは適しています。イレギュラーな情報をスピーディに共有できることで、不要な手間やコストの削減にもつながります。
参考記事:工場にサイネージを導入するメリットは?適した設置場所や活用事例を解説
小売店
小売店では、イベントなどをデジタルサイネージで案内することで、集客効果を期待できます。ポスターよりも視認性が高いというメリットを活かし、イベントを多くの顧客に周知させることが可能です。
また、本日のおすすめや新商品などをデジタルサイネージで紹介すれば、客単価アップにもつながります。
飲食店
飲食店の店頭にデジタルサイネージを設置し、おすすめのメニューやホールの様子を紹介すれば、通りがかった人にもアピールしやすくなります。入店しやすい印象を与え、気軽に利用してもらえるかもしれません。
店内に設置して、本日のおすすめを紹介することもできます。また、風景などをデジタルサイネージで表示して、インテリアの一部として活用するのもおすすめです。
宿泊施設
宿泊施設では、館内の案内やイベント情報の告知などにデジタルサイネージを活用できます。
タッチパネルで操作できるタイプなら、利用者は自分が知りたい情報だけをピックアップできて便利です。また、従業員に問い合わせるケースが減り、人員削減も可能になるかもしれません。
医療機関
医療機関では、待合室の案内に活用できます。受付中の番号や呼び出し済みの番号を表示すれば、利用者は時間を有効に活用できるようになります。
また、風邪の予防や衛生などに役立つ情報を紹介したり、予防接種の受付について告知したりする際にもデジタルサイネージの利用が可能です。利用者の知識も増え、満足度向上にも貢献します。
公共機関
公共機関でも、待合室の案内などに活用できます。また、市民へのお知らせの告知にもデジタルサイネージは有用です。
クラウド型サイネージ配信システム『PICLES』なら、オフィスサイネージと顧客向けサイネージを一括で管理できます。お気軽にお問い合わせください。
まとめ
オフィスでのデジタルサイネージは、社内の情報共有をはじめ、社内コミュニケーションのきっかけづくりやリフレッシュなど様々な活用方法があります。
一方デジタルサイネージ利用前の注意点として、設置する場所やインターネットが使用できるかどうか、コンテンツの内容や更新頻度によってCMSを選択することがポイントとなります。
最後に、デジタルサイネージの導入前に検討するポイントをまとめました。
ご紹介した活用方法の具体的なコンテンツ例もまとめましたので、デジタルサイネージにご興味がある方や導入を検討されている方は是非ご参考にしていただければと思います。
▼▼▼株式会社コモ様事例はこちらから▼▼▼
====オフィスサイネージシリーズ=======================
本シリーズでは社員のモチベーションアップや生産性向上における課題やオフィスでの
デジタルサイネージ活用方法・導入効果などをご紹介します。
シリーズ第3話では、デジタルサイネージの特徴やなぜモチベーションアップや生産性向上に
つながるのか理由をご紹介しています。
オフィスサイネージで社員のモチベーションアップ:第3話 デジタルサイネージの特徴とモチベーションアップ&生産性向上につながる理由とは?
シリーズ第5話では、オフィスにおけるデジタルサイネージの導入効果をご紹介します。
オフィスサイネージで社員のモチベーションアップ:第5話 オフィスにおけるデジタルサイネージの導入効果とは
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