防災のキホン：Jアラート（弾道ミサイル情報）への対応（後編）

Jアラート避難　

　今回は前回に続いてJアラートのお話ですが、実際に警報が出た際に取るべき行動についてお話をいたします。

■Jアラート（弾道ミサイル情報）

Jアラートの運用開始以来、弾道ミサイルに関する情報は、これまでに2012年、2016年、2017年、2022年、そして先日2023年4月13日にも発表されています。現在のところ、実際にミサイルが着弾して被害が発生したことはありませんが、今後も同様である保証はありません。

弾道ミサイルによる被害が実際に生じる場合というのは、つまり戦争が勃発した状況と想定されます。また弾頭に詰められているのは「爆弾」とは限らず、毒ガスや細菌の詰められた化学兵器や、最悪の場合は「核弾頭」が搭載されている可能性があります。だからこそ、「恐らく何もないとは思うが」Jアラートを発表し、万が一の状況への備えを訴えていると言うことになります。

どうせ被害は生じないのだからJアラートは無意味、むしろ経済的な影響などを考えればやめた方がよい、そのように思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際に北朝鮮はミサイルを日本の方角へ発射しておりますし、現在ウクライナに侵略をしている隣国のロシアは世界最大の核兵器保有国です。

これまで大丈夫だったから、これからもきっと大丈夫。災害や有事への備えとしてこれは危険な考えです。「可能性があるならば、生活を壊さない範囲で備える」、という意識が必要で、そのためにはJアラートの仕組みは必要なものではないでしょうか。

■Jアラートが鳴ったらどうすればよいのか

では、Jアラートを経由して、弾道ミサイル情報が発表されたら何をすべきでしょうか。実際に被害が生じる場合には、爆弾による直接的な影響や、建物の破壊による二次被害が想定されます。もちろん、弾道ミサイルが「核」であり、その爆心地にいた場合は、地下のシェルターにでも潜らなければ助かることはできませんが、より小さな被害が生じる状況においては、ちょっとした行動が生死を分ける可能性もあります。ぜひ安全行動を取ってください。

図：内閣官房「国民保護ポータルサイト」・弾道ミサイル落下時の行動について

具体的な行動については、政府から指針が示されています。弾道ミサイルが着弾した場合に想定される被害としては、「激しい爆風」や「破壊された建物などの破片」の影響で、身体へ大きな影響を受けることが想定されます。この爆風や高速で飛んで来るガレキから身を守る行動が、とっさの対応になります。
最悪なのは、ミサイルに対して身体を直接さらすことですので、まず屋外にいる場合は近くの建物の中へ避難します。目の前に地下鉄や地下街があればそこがベストですが、なければできれば鉄筋コンクリートのビルやマンション、それらもなければ何でも構いません。建物すらない場合は、とにかく物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭を守ります。

屋内にいる、あるいは逃げ込むことができた場合は、建物が無事でも爆風で割れた窓ガラスなどが襲いかかってきます。そのため、できるだけ窓から離れるか、窓のない部屋・廊下などへ移動し、身を伏せて頭を守ることが重要です。こうした対応を、Jアラートから「ミサイルによる影響なし」の発表が来るまで数分間続けることが、とっさの行動となります。
「まさか」と考えずに率先避難者となれるかどうかは、弾道ミサイル以外のあらゆる災害に対しても有効です。緊急地震速報がなったら、津波警報が発表されたら、あるいは建物で非常ベルが鳴ったら、自分が1人目の避難者になれるよう、ぜひ意識を持って頂きたいと思います。

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サイネージを利用した緊急情報の伝達方法については、こちらのサイトをご参照ください。

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