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POPなマーケティング ~その7~

[fa icon="calendar"] 2022/08/18 13:27:03 / by 沼澤 拓也

沼澤 拓也


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◆POPを活用した実証実験~その7~◆

 9つ目のメソッドは「ツァイガルニク効果」です。

 テレビを観ていると盛り上がってきた時点で「続きはCMのあとで」という演出がその一つです。その結果、CMあけに起こる展開が気になったことはないでしょうか?

 連続ドラマの次回が気になるようなストーリー展開もツァイガルニク効果を狙った演出です。
メディアだけではなく、この効果を活用することで集客や売上につなげることが可能です。

 心理学者ツァイガルニクは、次のように説明しています。


 
 達成されていない目標についての記憶は、達成されている目標についての記憶と比較すると印象に残りやすい。

 ツァイガルニク効果を簡単に説明すると、未完成な方が完成した方より気になる心理現象のことです。経営や店舗運営などは完璧に見せがちですが、未完成な部分や要素があった方が消費者は気になってしまうということです。落ち度がないようにしっかりと準備をして消費者に商品やサービスを提供することは当然ですが、気になる企業、気になるお店という点に焦点をあてると未完成なシカケを準備することも大切です。

 消費者に気になってもらい続けて頂くためにコストをかけてマーケティング戦略を練り、広告販促を展開するのが企業側です。この心理現象は有効に活用できますので、いくつかの方法を挙げてみます。


◎ビジネストークは途中で切り上げる

 営業成績の良いセールスパーソンは、トークのポイントを体得しています。その中の一つがこのツァイガルニク効果です。

 ただ一点に集中してトークを進めていきます。その一点とは、相手が自分の話に関心を示し盛り上がってきた時点で、切り上げるということです。

 下手なセースルトークは、多くを語りすぎです。相手に謎?を印象付けて帰りましょう。
 そして次回のアポイントをしっかり設定し、もう一度プレゼンの機会を頂くということです。このノウハウを生かすことで相手はあなたに会うことが有益な時間だと感じるようになります。

一度で満足させないというのも未完成に通じますので、印象に残りやすい方法です。


◎商品やサービスの途中まで見せる

 インターネット時代によく見かける方法です。CMで途中までみせて「続きはWebで」という演出はクロスメディアの一つであることと、まさにツァイガルニク効果を狙ったものです。
また、会員サイトへ誘導するために記事を無料配信し、記事の盛り上がりをみせる時点から有料会員限定を告知する。

 オンラインゲームアプリでは、アイテムBOXを設置し5つ集めるとアバターであるキャラクターがレベルアップする仕掛けがあります。これは最初の1つ目のアイテムを無料で配布し、BOXの中にあと4アイテムが納められるよう空間が設定されています。残りを埋めたくなる心理へと働かせる演出です(注:景品表示法)
連載漫画を数十巻も購入する心理もこの効果であり、自社でこのシカケを活用することも戦略になります。
 
 画像1は、内容を意図的に隠したPOPです。知りたい!めくりたい!気持ちが高まります。



<画像1>IMG_0012(縮小)

◎シンプルにクイズを活用する
 
 クイズを出題することはツァイガルニク効果の演出の一つです。人からクイズを出されると答えを知りたくなりませんか?
それこそクイズ番組で「答えはCMのあとで」となると、この間気になって仕方がないことを多くの視聴者が経験しています。
 万が一、答えの場面を見逃した時の苦痛、後悔、ストレスといった感情は避けたいところです。答えがわかるまでネット検索などしたり、同じ番組を見ていた人を探してどうしても答えを知りたいための行動を起こすのではないでしょうか。

 クイズは思っている以上にツァイガルニク効果を発揮します。お客さまに出題するクイズを会社全体で取り組むこともお勧めします。

 画像2は、果物売場に掲示したクイズ形式POPです。答えは「明日AM10時に掲示します」などと告知すると来店促進につながります。

 

<画像2>
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 ネット広告やSNSをクリックさせたいとき「希望校へ合格するには?」「長寿のために誰にでもできる健康法は?」「お金持ちに共通するたった一つの習慣は〇〇〇」などのツァイガルニク効果を有効に活用できます。

<メソッド9>
消費者がこの続きが気になる時点で情報を遮断したり、物事を中断したりして謎を残すことがポイントです。途中で止まった事象や未完成なことの方が、興味や関心が高まり消費者の深層に記憶されるのです。

 

 
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