広告媒体としてポスターを利用することには、メリットもありますが、デメリットも少なくありません。デジタルサイネージなどのほかの広告媒体との違いや、媒体ごとのメリット・デメリットについてまとめました。広告手法で迷ったときに、ぜひ参考にしてください。
【目次】
ポスターのメリット・デメリット
ポスター広告とは、知らせたい内容を紙に印刷したポスターを掲示する広告手法です。ポスターを人目につく場所に貼り、不特定多数を対象に宣伝します。
デジタルサイネージやインターネット広告など、広告のデジタル化が進んでいますが、昔ながらの広告手法であるポスターを利用するケースも少なくありません。駅や空港、商業施設などの大勢の人が通る場所で、多くのポスター広告が見られます。
メリット
ポスター広告には、次のメリットがあります。- リーチ数を予測しやすい
- 押しつけがましい印象になりにくい
- 何度も見てもらえる
- 費用が安い
それぞれ解説します。
リーチ数を予測しやすい
ポスター広告は不特定多数をターゲットとした広告ですが、リーチ数を予測しやすい点がメリットです。掲載場所によってターゲットをある程度予想できるため、費用対効果の計算も簡単です。
押しつけがましい印象になりにくい
広告のなかには、押しつけがましい印象になるものもあります。たとえばポップアップ式のインターネット広告などは、視界に入る回数が多く、スマホ・パソコンの操作の邪魔になることもあるため、閲覧者にネガティブなイメージを与えるかもしれません。
一方、ポスター広告は、駅や道などの通りすぎる場所に掲載されます。注視したい人だけ見ればよいため、しつこい印象になりにくいでしょう。
何度も見てもらえる
駅構内や周辺などにポスターを貼っておけば、通勤や通学で通る方に見てもらえるため、何度も繰り返し宣伝できます。何度も見ているうちに、自然とポスターで宣伝している内容を覚え、商品やサービスを選ぶときの参考にする可能性もあります。
費用が安い
ポスターを作成して広告として掲載するまでには、製作費用や印刷費用、掲載費用などがかかります。依頼する製作会社やサイズ、掲載場所によっても費用は異なりますが、テレビコマーシャルなどの他の手法よりは安めです。
デメリット
メリットの多いポスター広告ですが、デメリットも多くあります。- 見込み客の獲得までには至らないことがある
- 貼れる場所が限られている
- 修正にコストがかかる
- 環境負荷がある
- デザインによっては訴求力が低下することがある
それぞれのデメリットについて、具体的に見ていきましょう。
見込み客の獲得までには至らないことがある
ポスター広告は、通行人が通りすぎるごくわずかな時間に見てもらうための広告です。情報を詰め込んでも、通行人が足を止めてくれない限り見てもらえません。
そのため、イベントや商品などの周知はできても、見込み客の獲得までには至らないことがあります。ポスター広告のインパクトを活かすためにも、掲載する情報を厳選し、店頭や待ち合わせスポットなど、足を止めやすい場所に掲載しましょう。
貼れる場所が限られている
ポスターを貼れる場所は限られています。駅構内や商業施設の広告スペースなど、ポスター掲載場所として指定されている場所以外は貼れません。また、掲載可能な場所であっても、ポスターのサイズによっては貼れないことがあります。
特に許可なく貼れる場所でも、大量にポスターを貼ると景観を損ねることになり、閲覧者にネガティブなイメージを植えつけることになるかもしれません。ほかのポスターが貼られている場所に貼ると、目立たなくなり、見込み客の獲得どころか、周知すらできない可能性もあります。
修正にコストがかかる
ポスターに間違った情報や好ましくない表現方法があったときは、刷り直しが必要です。修正部分が小さいなら、上から修正した情報を印刷した紙片を貼り付ける方法もありますが、いずれにしてもコストと手間がかかります。
なお、刷り直しをするときは、修正箇所の大きさではなく製作枚数で費用が決まります。大量に作成していたときは、コストも多額になるでしょう。ミスがあった場合に備えてまずは小ロットで印刷するという方法もありますが、ポスター1枚あたりの単価が高くなるため、やはりコストは高額になってしまいます。
一方、オンラインの広告ならパソコンで簡単に修正でき、コストもかかりません。「イベントの日程が変わった」「不適切表現と指摘された」などの突発的なトラブルにも、スムーズに対応できます。
環境負荷がある
時代はペーパーレス化に向かっています。紙資源を使うことで、エコロジーではない印象を通行人に与えるかもしれません。
また、糊の種類によっては、ポスターを掲載した場所に跡が残ることがあります。環境に影響を与えたことにもなり、さらにエコロジーではない印象につながります。
デザインによっては訴求力が低下することがある
通行人に足を止めてもらうためには、インパクトのあるデザインにする必要があります。しかし、インパクトを重視すると、伝えたい内容を伝えられない可能性もあるため、悩むところです。
デザインと訴求力のバランスを考え、目を引きつつ、内容が伝わるポスターとして仕上げましょう。
ポスターとほかの広告媒体との違い
ポスター以外にも、さまざまな広告媒体があります。主な媒体のメリットとデメリット、ポスター広告との違いについて説明します。
デジタルサイネージとの違い
メリット |
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デジタルサイネージは、近年利用されることが多い広告方法です。飲食店や商業施設、公共機関などにディスプレイを設置し、さまざまな情報を知らせます。
スライド形式で静止画が変わるタイプや、動画や音声で知らせるタイプなどもあり、宣伝したい内容などによって使い分けが可能です。デジタルサイネージの種類や役割については、次の記事をご覧ください。
参考記事:デジタルサイネージとは ~種類と役割について~
参考事例:株式会社八芳園様「サイネージを利用してアナログ看板からデジタル看板へ」
デジタルサイネージのメリット
デジタルサイネージは輝度が高いため、視認性が高い点がメリットです。夜間や暗い場所でも情報を提供できるだけでなく、インパクトを強める効果もあります。
また、コンテンツを変更しやすいため、修正や新しい広告の掲載にも手間がかかりにくいのもメリットです。インタラクティブなタイプもあり、ユーザーとコミュニケーションを図れます。
動画や音声も表示できること、可能なコンテンツの幅が広いことも、デジタルサイネージのメリットです。次の記事では、デジタルサイネージのメリットについてさらに掘り下げています。ぜひご覧ください。
参考記事:デジタルサイネージのメリットは?効果や仕組みをご紹介
デジタルサイネージのデメリット
掲載費用はあまりかかりませんが、ディスプレイの購入や設置に多額の費用がかかります。また、ディスプレイは電子機器のため、故障する可能性があります。修繕費がかかることもある点に注意しましょう。
電力が必要な点もデメリットになるかもしれません。コンセントで電源と接続できない場所には、ディスプレイの設置が難しくなります。
チラシとの違い
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デメリット |
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チラシはポスターと同じく紙媒体の広告手法ですが、掲載場所を考慮する必要がありません。また、チラシを受け取った方が自宅で繰り返し見る可能性もあり、確度の高い広告活動として活用できます。
ただし、手渡しや投函などの方法で配布するため、宣伝できるエリアが限られることはデメリットです。配布を業者などに依頼するときは、配布費用がかかります。
テレビコマーシャルとの違い
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デメリット |
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テレビコマーシャルは認知度や信頼度の向上につながる広告手法です。
しかし、ターゲットを定めた広告活動が難しいため、費用対効果を計測しにくい可能性があります。また、費用が高額な点にも注意が必要です。
インターネット広告との違い
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デメリット |
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インターネット広告はKWを決めて表示できるため、ターゲットを定めやすく、費用対効果を計測しやすい手法です。また、同じKWで広告を出している事業者がいないなら、費用を抑えやすいでしょう。
ただし、競合の多いKWを選択するときや、高頻度の表示を狙うなら、高額な費用がかかります。また、効果測定には専門知識が必要な点にも注意しましょう。
交通広告(駅、電車、タクシーなど)との違い
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デメリット |
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反復訴求しやすく、公共性が高いように印象づけられる点は、交通広告のメリットです。
しかし、申し込みから掲載までに時間がかかるため、緊急イベントなどの告知には向きません。また、公共交通機関は誰もが利用するため、ターゲットを絞りにくく、効果測定が難しい点にも注意が必要です。
まとめ
広告手法の種類は多いため、メリット・デメリットを比較して使い分けることが大切です。ポスターも優れた広告媒体ですが、修正がしづらく、高いインパクトを与えにくい点が気になるかもしれません。
修正しやすさやインパクトの強さを重視するなら、デジタルサイネージを検討してみてはいかがでしょうか。
デジタルサイネージなら、静止画を使えばポスターのように、動画を使えばテレビコマーシャルやインターネット広告のように活用できます。広告の可能性を広げるデジタルサイネージに、ぜひ注目してください。
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