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防災のキホン:「食料」備蓄の基本・後編

[fa icon="calendar"] 2022/09/22 10:00:00 / by 高荷 智也

高荷 智也


防災備蓄  


 防災対策において重要な「食料の備蓄」、前回のコラムでは避難時に必要な「1日分」の行動食、避難所や災害直後の自宅で食べる「3日分」の避難食について紹介しました。

今回も引き続き、「食料備蓄」の基本や注意点について解説をいたします。

■「7日分」の備蓄食料を準備する

食料備蓄の目安は「最低3日分」「できれば7日分」です。前回のコラムでもご紹介しましたが、災害発生から3日間は人命救助優先となるため、生き延びた方々は自分たちだけで生活を継続する必要があります。そのため最低3日分の飲料水・食料品・生活用品は「自助」で準備することが基本となります。

しかし、災害の規模が大きい場合や、大都市圏が被災して膨大な被災者が生じるような状況においては、4日目になっても支援が開始されなかったり、あるいは十分に行き届かなかったりする可能性も考えられます。マンションの高層階に住んでいる場合はEV停止で身動きできなくなる恐れもあるでしょう。そのため、「できれば7日分」の生活物資を備蓄することが望ましいのです。

この1週間分の食料品は、そのまま食べられる非常食でも構いませんが、全て「THE非常食」で揃えるとお金がかかります。そのため、日頃からよく食べている食品の中でも、各種のレトルト食品、インスタント食品、缶詰など、賞味期限が長めのものを多めに確保する「日常備蓄」で準備すると、お財布への負担が軽くなります。


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この食品は「在宅避難」が前提となりますが、断水や停電が継続している可能性があります。カセットコンロや、ポータブル電源などをあわせて準備しておき、簡易調理の準備をすることも重要です。
またゴミ回収も停止している恐れがあるため、日頃使っているゴミ袋なども多めに備蓄し、廃棄物を自宅に貯められるようにするとよいでしょう。



■長期備蓄について


最大7日分程度の食品があれば、「普通の災害」に対する準備としては十分です。しかし、より影響の大きな災害…、例えば感染症パンデミックで2週間程度自宅に閉じ込められるような状態。火山の噴火による大規模降灰でインフラが壊滅する様な状態。あるいは離島・山間部などに住んでおり長期の孤立化が想定されるような状態。これらへの備えとしてはより多くの備蓄が必要です。

写真は「1名×3食×7日分」の備蓄食ですが、「THE・非常食」ではなくスーパーやドラッグストアなどで安価に購入できるものだけで構成しています。こうした食品の中で、普段の食事に取り入れられそうなものがあれば、これを「日常備蓄」するのがおすすめです。


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また、いわゆる「食料危機」へ本格的な備えを行うとする場合は、数週間~数ヶ月分の備蓄が必要となりますが、こうした災害の詳細は想定が難しく、「どのくらいの期間」を想定して準備するかは、予測が困難です。長期備蓄に取り組む場合は「備蓄すべき量」ではなく、わが家で「備蓄できる量」を、日常備蓄するのがよいでしょう。

この際には、カロリーを確保するための主食、タンパク質の摂取を意識した副食、ビタミン&ミネラルを摂取できるサプリ、各種の嗜好品といった食料品に加えて、長期的な停電や断水などに備えたインフラを代替するための準備も必要です。

長期的に取り組む必要がありますので、まずは「最低3日・できれば7日」分の備蓄から取り組むようにしてください。

 

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